恋と、嘘と、憂鬱と。

『そうそう!お母さんが連絡したのもその件よ!つまり、季里の友達とか先輩がわざわざこっちまで来てくれるってことよね?』

ワクワクしたような母の声に私は「まぁ、そうだね。うん」と相槌をうつ。

『天体観測なんて素敵ね〜。季里は帰ってくる予定だったわだし、うちは一向に構わないわ。それと、近くの笹田さん所の旅館を安く利用できないか問い合わせてあげるわね!』

「あ、ありがとう」

娘より数倍は楽しそうに計画を立てている母に若干、戸惑ってしまう。

『季里がいつもお世話になってるんだからそのくらいはね。それじゃ人数と日程がわかったら教えてね』

最後に明るくそう言い残し、母は電話を切ったのだった。

お母さん、だいぶはりきってたな…。

島外の友達なんて颯真くん以来だし、母にとっても楽しみなんだろう。

とりあえず、皆に報告しよっと。

そう思い私は、天文部グループチャットを開くと。

【母から連絡きました…!ぜひぜひ来てださいとのことです。知り合いの旅館の方にもお部屋をとれないか聞いてくれるみたいなので日程と人数を教えてほしいとのことでした】

とメッセージを送る。
< 343 / 405 >

この作品をシェア

pagetop