恋と、嘘と、憂鬱と。

全員参加は叶わなかったけれど、こんなにたくさんの先輩や友達が私の地元に遊びに来てくれたのは素直に嬉しい。 

ちなみに、颯真くんはというと…。

『悪いけど、家族で夏休み行く所があるらしくて』

そんな家庭の都合で不参加となっていた。

玲子さんのことを考えると、もちろん颯真くんが参加できないのは残念なのだが…。

上手く玲子さんに説明する自信がなかった私は、内心ホッとしていたのも事実。

昨日は玲子さんと颯真くんのこと考え込んじゃって、よく眠れなかったんだよね…。

すると。

「季里ちゃん、少し顔色悪いけど大丈夫?」

「あ、はい。ちょっと昨日は寝付きが悪くて…寝不足なんです、あはは」

見透かされたように声をかけてきた霧谷先輩にドキッとしてしまった。

先輩、時々核心をついたこと言うからビックリするんだよね。

「そっか、寝不足ならあんまり無理しないようにね?船って酔いやすいみたいだし」

心配そうに私を見つめる霧谷先輩に対して。

「大丈夫ですよ〜。フェリー乗るのなんて慣れてますから」

と軽く受け流したのだが…。
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