恋と、嘘と、憂鬱と。
「3人ともなんか変だったね…」
向かいにいる充希くんに声をかけるも。
「……ハァ」
なぜか黙っている彼は次の瞬間、小さくため息をついた。
「…僕ってそんなにわかりやすいかな…」
そして、ポツリと小さく声をもらした充希くん。
「え?」
「いや、何でもない。こっちの話…それよりほら、薬。一応水なしで飲めるから」
じゃあ、何で3人に水を買いに行くように頼んだのだろう…。
と思ったが、なんだかこれ以上余計なことは聞いてはいけない気がして心の内に秘めておくことにした。
「ありがとう…」
ゆっくりと起き上がり、私は彼から薬を受け取る。
そのまま口に含むと、ラムネのようなそれは、一瞬で溶けて口内から消えていった。
これで少しマシになるといいな…。
「船酔いするんだね」
「いつもはしないんだけどね。昨日はちょっと寝不足だったから…多分そのせいかも。充希くんが薬くれたしもう大丈夫だと思う」
フフッと小さく微笑んだ私は、さっきまで横になっていた椅子の背もたれにもたれかかる。