恋と、嘘と、憂鬱と。
確信をつくような彼の質問に玲子さんはグッと押し黙る。
しかし、意を決したようにポツリ、ポツリと語り始めた。
「颯真からは…少し前に連絡があったの。たぶん、季里ちゃんに自分のことを話した日なんでしょうね。季里ちゃんにも今日話したって言ってたから…」
そっか…。
私に打ち明けてくれた日に玲子さんに連絡してたんだね。
玲子さんへの連絡を渋っていたように感じていたから心配してたけれど、それは私の考えすぎだったみたいで、少し安心した。
「今日来ることに関しては…颯真から口止めされててね。季里ちゃんには、自分で話すから私からは言わないでほしいって。理由はわからないけど、私が出しゃばるのもよくないと思って、黙ってたの」
「そう、だったんですね…」
「でも、こんな形で季里ちゃんに知られてしまうんだったら早く話せばよかった…、驚かせちゃって本当にごめんなさい」
くしゃりと表情を歪める玲子さんに、私は首をフルフルと横に振る。
「玲子さんのせいじゃないから、気にしないでください」
「季里ちゃん、ごめんなさい。あと、遅くなったけど…ありがとう。あなたが颯真のことを見つけてくれたから、あの子、私にも連絡をくれたのよ」