恋と、嘘と、憂鬱と。

私の頑張り、母のサポートもあり、どうにか受験を乗り切った私は、とうとう合格発表当日を迎えていた。

「お、落ち着けよ…堀田は頑張ったからな!きっと…大丈夫だ、うん」

「…はい。やれるだけのことはやりました…落ちても悔いはありません」

「そ、そうか…。まぁ、今の堀田の成績なら近くの県立は合格確実だろうし…心配はしていないが…」

パソコンの前で、今か今かと発表時間が来るのを待っている私と担任の先生。


どちらかといえば、担任の方がソワソワして落ち着かない様子だ。


そして、合格発表予定時刻の10時になり、URLをクリックした瞬間、受験番号が羅列したページにとぶ。

食い入るように画面を覗き込む私と隣でゴクリと息を呑む担任。


受験番号は、56278。

順番に上から番号を確認する。


…56271、56277…。


「…56278…先生!ありました!!!」


「お、おぉ!!!そうか。やったな!堀田すごいぞ!!!」


思わず、先生とガッツリ熱い抱擁を交わし、健闘を称えた。


直様、仕事に出ている父と母にも連絡をする。


母も自分のことのように私の合格を喜んでくれて、私も一安心。

< 4 / 405 >

この作品をシェア

pagetop