恋と、嘘と、憂鬱と。

「あ〜…。霧谷先輩お疲れ様でーす。美桜先輩いますか??」

「まだ来てないみたいだけど。…つか葉山ちゃん、なんか俺のこと嫌がってる…?」

「え?そんなことないですよ〜」

そう言いつつ、私は霧谷先輩から若干距離をとって空いている席に腰をおろした。

霧谷先輩、ちょっと何考えてるかわかんないから実は、若干苦手なんだよね…。

一時期は、季里のこと好きなのかな…?って思ってた時もあったんだけど…。

チラッと、霧谷先輩に視線を向けると、偶然私の方を見ていた先輩と目が合った。

「…ハァ」

久瀬先輩と季里が付き合ったの知っても普段と変わらないしなぁ。

「え、人の顔見てため息って…。葉山ちゃん、俺のことそんなイヤ?」

苦笑いを浮かべる霧谷先輩は、小さく肩をすくめる。

「あ、今のは…そういう意味じゃなくて…あはは。すみません。というか、先輩こそ珍しいですね。いつもは速水先輩と一緒なのに」

流石に失礼な態度に見えてしまったと、謝罪しつつ、私が話題を変えようとそんな質問をした時。

「…速水は、今日は彼女と帰るって」

霧谷先輩は、つまらなさそうにそう呟いた。

あぁ…。莉里花先輩とかぁ…。
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