恋と、嘘と、憂鬱と。

よし…あの子に話しかけてみよう!

そんな決意を固めながら私は窓側の席へと足を進める。


カタンッ


ゆっくりと、前の席の椅子を引き、机の上に荷物を置いた。


そして、


「あ、あの…私、堀田季里っていいます。前の席みたいなんだけど…仲良くしてもらえると嬉しいです!」


バッと、後ろを振り返り勢いそのまま挨拶をする。


「…ん?あぁ、私?いえいえ。こっちこそ…」


気怠げにそう呟き、窓の外から私へと視線を移した女の子と目が合った瞬間、彼女は固まった。


艶々の黒髪を1つに結び、スッとした一重は切れ長で格好いい。

第一印象は、日本美人といった感じだ。


え…、何、どうしたの??


「…ごめんなさい、名前もう1回言ってもらえる??」


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