恋と、嘘と、憂鬱と。


霧谷先輩とはタイプは違うが、目鼻立ちがハッキリとしており、格好いい印象を受ける。それに面倒見が良さそうな性格は男女共に人気がありそうな感じだ。


…速水先輩、良い人そうだな。


そんなことを考えていると、


ブーッ、ブーッ


近くからスマホのバイブ音が聞こえてきた。

「あ。俺だわ……はい、もしもし?」 


どうやら、霧谷先輩のスマホだったらしく、ポケットからスマホを取り出すと、先輩は、少し離れた場所に移動しながら電話に出る。


すると、


「…いいか堀田、理央には気をつけろよ。アイツ、気に入ったら見境ないから。お前いい奴そうだし、忠告しとく」


少し離れた場所に移動した霧谷先輩を気にしつつもコソッと、私に声をかける速水先輩。


「…は、はい。気をつけます」

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