恋と、嘘と、憂鬱と。
和音さんが準備してくれた豪華な夕ご飯を食べている時も、
今日出会った颯真くんに似た、久瀬先輩ことで頭がいっぱいで。
「…季里ちゃん?ちょっと顔色悪いけど…もしかして具合でも悪い??ご飯もあんまり入ってないみたいだし…」
和音さんに心配をかけてしまう始末。
「そ、そんなことないです。たぶん、入学式で疲れちゃったのかも」
「そうね。やっぱり初日だし、緊張もあったのかもね?お皿洗い私と充希がしちゃうから今日はゆっくり休んで?」
「…すみません、ありがとうございます。あの!今週末からカフェのお仕事バリバリお手伝いしますのでなんでも言ってください」
優しい和音さんの言葉に甘え、これ以上心配かけないように早めに席を立つと、それだけ言い残し、私は2階の部屋に向かった。