恋と、嘘と、憂鬱と。

玲子さんは、8年前に東京からこの島に移住してきた。

初めて会った時は、これが都会人というオーラが出ていて圧倒したのを覚えてる。

それくらい島にはいないタイプのお姉さんだったから。

「私が住んでた頃とはもう、だいぶ変わってるとは思うけど、わからないことあったら何でも聞いてね?」


「玲子さん、ありがとう!」


ニコニコと、お互い微笑み合う。


しばらく他愛もない会話を楽しんでいると、

「あのさ、季里ちゃん…」


突然、玲子さんが私の名前を呼んだ。


「…玲子さん、どうかした?」


「…えっとね、聞きにくかったんだけど、季里ちゃんが東京の高校目指したきっかけって…もしかして颯真のこと関係あったりするのかなっておもって…ごめんね、急に…」


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