恋と、嘘と、憂鬱と。
ちらっと、化学室の入り口を確認するもまだ人の来る気配はない。
…真凛ちゃん、まだかな…?
「友達、他の部活も見学に行ってる感じ?大丈夫よ、見学ならいつでも歓迎だし」
不安そうな表情の私を察した莉里花先輩はそう言って言葉を紡ぐ。
その時。
「おっと、そちらも随分数が減ってるね…へぇ。残ったのは季里ちゃんだけ?」
「おぉ!堀田じゃん!!昨日ぶり!」
霧谷先輩と速水先輩が隣の空き教室から戻ってきた。
「…ん?何々??霧谷達、季里ちゃんと知り合いなの??てか、そっちは収穫ゼロ??」
「季里ちゃんには、入学式の時に困ってそうだったから俺から声かけたんだ〜。あと、男性陣は峰岸先輩と仙道先輩が付き合ってること話したら肩落として帰ってったよ」