恋と、嘘と、憂鬱と。

美桜先輩にツッコまれ、霧谷先輩は私との出会いを説明しつつ、男子の新入生についての現状報告をしている。


「…速水くんも季里ちゃんと知り合いなの?」


「あぁ。知り合いていうほどのもんじゃないけど。昨日、理央が堀田に絡んでる時にたまたま会ったんだよ」


特に気にしてなさそうな速水先輩に対し、どことなく心配そうな表情の莉里花先輩。


そんな彼女の表情に、私は

そっか、莉里花先輩は速水先輩の彼女なんだもん…気になるよね…!

と、察した。

「あ、あの!霧谷先輩とも、速水先輩とも昨日、たまたま帰りがけにお会いしただけなので…知り合いって感じです…!」

“知り合い”という言葉を強調しつつ、美桜先輩と莉里花先輩に向かってそう言い放つ。


しかし、


「…季里ちゃん…そんな、知り合い強調されると俺傷つくなぁ…」


「あ…、すみません…!…まだ先輩方のことよく知らないですし。これから仲良くなれればって思ってます…!」


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