ベルベット
「光太朗クン、ちはるを迎えに来たんだってー」
何事もなかったようにキッチンから姿を見せたお母さん。待っている間に二人はどんな話をしたんだろう。胸の中がざわざわと落ち着かない。
「見かけより根性は悪くねーのな」
「こらヤマト、由弦みたいなコト言うんじゃないの!ちはる、そのまま光太朗クンと帰りなさい。あたしはもう話すことないからね」
言いながら紙の手提げ袋を手渡してくれた。
「さっき鈴奈さんが持ってきたキッシュとアップルパイのお裾分け。冷えても美味しいから光太朗クンと食べなさいよ?」
「あ、・・・うん」
「じゃあ気を付けてね!」
横からなにか言いかけたマー君の、口を塞いだお母さんの笑顔の圧に送り出され、正直、途方に暮れてもいた。
「荷物もつよ」
「・・・うん、ありがと」
駅に向かって歩くタロウの横顔をどう読み取ったらいいのか。急に自分が頼りなくなる。昨日までは考えなくても分かってた気がしたから。
何事もなかったようにキッチンから姿を見せたお母さん。待っている間に二人はどんな話をしたんだろう。胸の中がざわざわと落ち着かない。
「見かけより根性は悪くねーのな」
「こらヤマト、由弦みたいなコト言うんじゃないの!ちはる、そのまま光太朗クンと帰りなさい。あたしはもう話すことないからね」
言いながら紙の手提げ袋を手渡してくれた。
「さっき鈴奈さんが持ってきたキッシュとアップルパイのお裾分け。冷えても美味しいから光太朗クンと食べなさいよ?」
「あ、・・・うん」
「じゃあ気を付けてね!」
横からなにか言いかけたマー君の、口を塞いだお母さんの笑顔の圧に送り出され、正直、途方に暮れてもいた。
「荷物もつよ」
「・・・うん、ありがと」
駅に向かって歩くタロウの横顔をどう読み取ったらいいのか。急に自分が頼りなくなる。昨日までは考えなくても分かってた気がしたから。