婚約者を奪われ追放された魔女は皇帝の溺愛演技に翻弄されてます!
隣で眠る愛しい妻を眺めながら、セシルに会ってからのことを思い出していた。再会した時は興奮を抑えようと、低すぎる声になってしまった。セシルを怯えさせてしまって反省している。
やっと俺の妻にできた。ずっとずっとセシルだけを想ってきた。
自分がこんなに誰かに執着するとは思っていなかったけど、身の内で暴れる感情はどうにもできない。
バリケードのように積まれた枕を払いのけ、そっと漆黒の艶髪をすくい上げ口づける。
これから先、たとえセシルが俺を愛してくれなくてもかまわない。
でも、ごめん。
きっともう——君を離せない。