婚約者を奪われ追放された魔女は皇帝の溺愛演技に翻弄されてます!

「なんだじゃないわよっ! なんで枕たち(バリケード)が綺麗さっぱり避けられてるのよ!?」
「……ああ、すまない。俺の寝相が悪かったようだな」
「はあ!? 寝相っ!?」
「寝ている間のことだからどうにもできないな」
「くっ……!」

 確かに寝相が悪すぎて枕を蹴飛ばしちゃったなら仕方ないけど、それでもこんなに全部避けるものなの!?
 なんか釈然としないわ……!

「という訳で両手を自由にしてもらえるか?」
「本当に勘弁してよね! 次にやったら寝る時から両手を拘束するからね!?」
「それは約束できない。なにせ寝てて意識がないからな」
「とにかく絶対に駄目っ!!」

 ニヤリと笑うレイの黒い笑顔に心底ムカつきながら、拘束を解除した。


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