極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
 そのあと、はしゃぎすぎた航は少しお昼寝になり、その間に果歩と翔は予定通り、片付けを進めていった。

 服や小物を果歩が教えながら収めていったり、逆に翔が家電の使い方などを教えてくれたりした。

 一日ですべては終わらなかった。

 段ボールは全部なくなったものの、まだ置き場所を悩んでいたりするものもある。

 それでもすでに、暮らすのに最低限必要なものは整った。

 二人でやると、こんなに早いんだな。

 果歩は感心してしまった。

 そのあとは果歩が、用意されていた食材で簡単に夕食を作った。

 お昼ご飯は、実家の母が作って持たせてくれたお弁当だったので、翔に手料理を食べてもらうのは初めてだ。

 少し緊張しながら作ったのだけど、果歩が作ったご飯を翔は、美味しい、美味しいと次々に食べてくれた。

 メニューは引っ越しの日なのだからとお蕎麦だった。

 天ぷらとネギ、甘く煮込んだ油揚げなどをたくさん乗せた、果歩が好きなあたたかいお蕎麦。

 おかずが何品か。

 航もそれらを少しアレンジした幼児食で、一緒に食べた。

 翔がそのあと、再び「三人でご飯を食べられるなんて幸せだ」と噛み締めてくれたことは、言うまでもないだろう。
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