極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
 そう思ってしまった果歩に、逢見はやわらかに笑った。

「そうですか。夜の便ですか?」

「ええ」

 何気ない会話が続いたけれど、そのうち逢見が、すっと先を指差した。

「早瀬さん、もしまだでしたら、ランチでもご一緒にいかがでしょう? 美味しいお店があるんです」

 提案されて、果歩は驚いた。

 まさか誘ってもらえるなんて思わなかったのだ。

 でもすぐに、ぱぁっと心が明るくなる。

 胸の鼓動が、心地良くとくとくと騒いできた。

「いいんですか? 良ければ、是非」

 すぐに頷いていた。

 逢見にはたくさん助けてもらったのだし、その優しさに何度も触れて、素敵だと思ってきた。

 その彼に誘われれば、断るはずなんてない。

 果歩が嬉しそうに頷いたからか、逢見の目元も笑みになる。

「良かった。少し戻ったところに、俺のよく行く……あっ」

 楽しげに言いかけて、途中でハッとした様子で切った。

 気まずそうになった、その理由はわかったので、果歩はくすっと笑ってしまった。

「普通に話していただいて大丈夫です」
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