極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
「ありがとうございます」

 やっと微笑になれてお礼を言った果歩に、彼女もやわらかな笑みで返してくれた。

「いいえ。逢見様、お嬢様のお支度ができましたよ」

 そう翔を呼ぶ彼女が出してくれた試着用のミュールを素足に履いて、果歩はおずおずと試着室を出た。

 すぐに翔が寄ってくる。

「とっても素敵だ! 私の見立てに間違いはなかったな」

 顔を明るくして、心底嬉しそうに言った翔に、果歩は大いに照れてしまう。

「そ、そう……かな? ありがとう……」

 はにかみ笑いで言った果歩。

 その果歩に、店員の彼女が布張りのケースに入ったなにかを差し出してきた。

 視線を向けて、果歩は目を丸くした。

 入っていたのはいくつかのアクセサリー。

 どう見ても安いものではなかった。

「アクセサリーも必要だろうと思ってね、彼女と相談しながら選んだよ」

 大ぶりのパールがついたネックレスは、明るいゴールド。

 花のチャームがついたイヤリングも同じ色。

 バングルのようなブレスレットがひとつ、チェーンのアンクレットらしきものまで。

 それから、やわらかな布でできた、ワンピースと同じ色の髪飾り……。

「そ、そんな、なにからなにまで悪いよ……」

 気が引けるどころではなくなった果歩だったが、やはり断るほうが失礼なのだった。
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