極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
「失礼いたしますね」

 それらを手にした店員によって、ぱぱっと果歩の身に装着されていくアクセサリー。

 果歩は目を白黒させながら、じっとしているしかなかった。

 フルセットを装備されて、「いかがでしょうか?」と大きな姿見を示された。

 映った自分の姿に、果歩は感嘆してしまう。

 自分ではないようだった。

 明るいパープルという色がすでに、普段着ない色であるし、豪華なのに上品なアクセサリーも、ワンピースに合わせればまったく違和感がなかった。

 本当に、海外の映画で見る女優さんのようだ。

 いや、私はそんな美人なんかじゃないけど!

 そこで我に返った果歩だったが、その肩になにかが乗った。

 鏡越しに見える。果歩よりずいぶん背が高い翔がうしろに立ち、両肩に手を置いてきたのだ。

「果歩さん、とても綺麗だよ」

 やわらかな、うっとりしているともいえそうな声音で言われて、果歩は恐縮してしまう。

 こんな、平凡な顔立ちでしかない自分をそのように言ってくれるなんて。

「そ、そんな……もったいない……」

 恐縮とはにかみが混ざった声で言った果歩だったが、翔はきっぱり否定した。

「もったいないものか。これでいいかい?」
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