極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
 黒の上下に、淡い水色のシャツ。

 紺色のネクタイ。胸にはポケットチーフ。

 足元も革靴であり、髪も軽くセットをし直したようであった。

「ホテルディナーにあの格好ではカジュアルすぎたからね」

 はにかんだように笑って、昼間、果歩の服を買ってくれたブティックで自分もディナー用の服を調達していたのだと明かしてくれた。

「あのときすでに、果歩と過ごせたらいいな、なんて期待していたんだ。ごめん」

 そんなふうに、申し訳なさそうに言ってくれたものだ。

 果歩としては不快どころか、それほど望んでもらっていたことに、感動してしまったくらいだったのに。

 果歩の服はリゾートスタイルながら、ドレッシーだったので、ホテルディナーにもまったく問題ないだろうと思えた。

 その果歩に、「ディナーでは羽織があったほうがいいからね」と、ブティックで紙袋に入れてもらったあのボレロを取り出して、着せかけてくれた翔。

 よりフォーマルな姿になった果歩に翔が手を差し出して、二人はレストランに踏み込んだ。
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