極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
産まれた息子は愛おしく
 航が産まれて一年と少しが経った。

 産まれた当初はもちろん、大変あわただしいうえに、果歩は戸惑うことも、悩むことも多かった。

 産後うつのような気持ちになったりすることもあった。

 そのときは母が航を抱いて、対処を教えてくれたり、「私に任せて少し休みなさい」と言ってくれた。

 本当に、実家に帰らせてもらって良かった。

 果歩は、おばあちゃんになった母に感謝が尽きない日々だった。

 その甲斐あって、航は元気に、すくすく育っていった。

 ミルクもたくさん飲んで、離乳食になってからも、すぐにぱくぱく食べるようになって、身長も体重も順調に増えていった。

 病院でも「問題ないですね」と検診の度に言われていたし、なにも心配することのない成長の日々だった。

 それに航はとても愛おしかった。

 夜泣きや授乳で寝不足になっても、寝顔を見たり、穏やかな顔で手を伸ばしてきたりするときには、ほこっと心が優しくあたたまる。

 笑顔を見せるようになったときには、感動のあまり、つい涙ぐんでしまったくらいだ。
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