太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

「じゃあ…そろそろベッドに行こうか」


風呂から上がり、髪を乾かし終えた俺は、麻依に「行こう?」と手をのばす。

早く抱きたい…っていうよりイチャイチャしたくて。

すると赤い顔で俺の手を握り返した。
…は、可愛いすぎてたまらねぇ。




ベッドの上で2人向かい合って座る。

「麻依、今日は寝かすつもりはないからね?俺を妬かせた分、どろっどろに甘やかすからね?」

頬を撫でながら言う。

俺はとことん愛して抱き潰すくらいの勢い。
麻依はまた真っ赤になって「うん」て言うんだろうな。

…と思ってたんだけど、麻依が膝立ちしたと思ったら、俺の頭と体を抱きしめてきた。


「…いいよ、今日はたくさん甘えて?…諒のしたいように…好きなように……なんならめちゃくちゃにしてもいいよ」


え……?



一瞬…真っ白になった。


…何で…


俺が麻依の腕の中から見上げると、それに気付いた麻依が、俺の頬を手のひらで包む。

「…諒……辛かったでしょう?…今まで囚われていた事がいきなり違うって言われてしまって……どうしようもない気持ちのまま平常心でいるの、疲れたでしょう?…だから…私でいいなら…好きなようにしてもらいたい。…諒の気持ちが少しでも安らぐのなら、私にぶつけて…甘えてほしいの」


「…ま…麻依……っ」

俺の中で張り詰めていた何かが切れた。


ダメだ…涙が止まんねぇ…


麻依の胸に顔を埋めて…
俺は…泣いた…

もう何年も泣くことはなかったのに…



麻依はその間なにも言わず、ずっと抱きしめながら頭を撫でてくれていた。



泣きながら今日の出来事を考えて…

今まで生きてきた事を考えて…

まだ少しだけだけど…

俺の進むべき道に誘(いざな)う光…

一筋の光が…見えた…


この眩しくてあたたかい光は…麻依。

麻依と一緒なら…

俺は…もっと前に進んでいける…

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