太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
11月も終わりに近い頃、佐伯のお母さん(秋絵さん)に会いに行くことになった。


現在入院している療養型病院は私達の住むところから高速道路を使っても車で2時間かかる。

最初、諒は友美さんも同乗させて行くつもりでいたのだが、友美さんはそれを遠慮し、マイカーで行くとのことなので、現地集合することにした。

そして私の母も東京から来るという。
そういえば、なかなか会えてないって言ってたもんね。

とはいえ、病気療養している人の元へこんなに大勢で詰めかけてよいものかと心配で諒にも言ったんだけど、秋絵さんたっての希望というので…お言葉に甘えての勢揃いとなる。



そして当日…
入院しているお母さんに会いに行く車中ではさすがに諒も大人しいかと思いきや「お菓子食べさせて?あーん」とか、ココアパウダーがついた私の指を「それ舐めたい」と言ったり、左手で私の手を持って手の甲にキスしたり…
普通にいつものドライブだね、これ。



今日、私は諒の〝2人のお母さま〞に会う。
諒には言ってないけど、実はとっても緊張してるんだ…

そんな私の心の内に気付いていつものドライブの様にイチャイチャしてくれてるのだろうか。
だとしたら、諒が愛しくてたまらないんだけど…

でも…気になるから一応聞いてみる。

「諒…もし友美さんが一緒に乗ってたら、こういうことはしないよね?」
大人だしわかってるとは思うけど。

「こういうこと?何か変なことした?」
ん?って、フツーに質問で返されたよ…

「えっと、変なことっていうか、あーん、とか、指を舐めたいとか、手にキスするとか」

「それは普通のことじゃない?親の前でしちゃいけないの?」

ああぁ、ダメだこりゃ。
今後は親の前でも気を付けないとね、メモメモ。

とまぁこんな調子でイチャイチャドライブは続いたのだった。

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