太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
目的のその療養型病院は、国道から山手の方に伸びる一本道の奥の開けた場所にあった。
アイボリーの大きな建物の周囲は緑に囲まれていて、駐車場もとても広い。
…なんだか立地とか駐車場の感じがソレイユに似ていて、ちょっと親近感が湧いた。
時刻は10時45分。
お父さんとの約束は11時だから、ちょうどよく着いたかな。
駐車場内に入り友美さんに連絡を取ると、既に到着していたらしく、こちらの車に気づいた様だった。
1台の車が近くに来て駐車すると、そこから友美さんが降りてきたので、私達も車を降りた。
「友美さん!こんにちは」
「麻依さん、諒くん、こんにちは」
「こんにちは、遠いところ来ていただいてありがとうございます」
そこへ、私の隣に母が並ぶ。
「はじめまして。麻依の母の羽倉智世です」
諒くんの心遣いで、新幹線の最寄駅に寄って母を拾って乗せてきたんだけど、とりあえず私の母の前では大人しくしてくれてて助かった。
駅で初めて直に諒くんを見た母は「写真より素敵ね!隣に立つと本当に背が高いのね~」などキャッキャと浮かれていて、諒くんは照れながらも満更ではなさそうだった。
やっぱり恋人の親に好かれるのは嬉しいよね。
ハッ、私はどうなんだろう。
友美さんと秋絵さん、お母さんが2人いるんだもんね。
どうか嫌われませんように…
「麻依さんのお母様でいらっしゃいますか。はじめまして。諒の母の日野友美と申します」
もちろん母には事情を全て伝えてあるので慌てることはない。
「本当に麻依さんはお母様に似ていらっしゃるのね」
「はい、よく言われます」
母と頷き合う。
「あっお母さん、諒もお父さんとすごく似てるんだよ。写真を見せてもらったら、もうびっくりで」
「あら、そうなの?それはぜひ私も見たいわ!どんな方なの?そんなにそっくりなの?」
「うん、ほんとにすごいの!ね、友美さん」
「ふふ、そうね。私も初めて見た時は稔さんかと…」
なんて話していると…
「まずは入りましょうか、ここじゃ寒いし」
と、諒に笑顔で促された。
「あらやだ、女が集まるとつい話に花が咲いちゃって!」
お母さんが、口に手を当てて、反対の手は〝THE オバチャン〞みたいに手首のスナップをきかせて振るものだからみんなで笑っちゃった。
病院に入ると諒が面接の手続きを済ませ、4人で病室のあるフロアにエレベーターで上がるとお父さんが待っててくれていた。
「おっ諒くん、早くからお疲れ様だったね。麻依、智世もよく来てくれたね」
「義信さん、母をみていただいていつもありがとうございます」
病室に入る前に、談話スペースで挨拶する。
「お父さん、久しぶり」
「義信さん、久しぶりね」
「2人とも、ありがとな」
「義信さん、こちらがこの前話した僕の生みの母」
「ご挨拶が遅くなり申し訳ございません。日野友美と申します」
友美さんは深くお辞儀をした。
「私は秋絵の兄の中田義信といいます。麻依の父親でもありますがね」
「そうでしたね、お話は伺っております」
「義信さん、母はどんな具合?」
「今日はだいぶ良さそうだよ。みんなに会えるから調子がいいのかな、ハハハ」
「ねぇお父さん、大勢で病室に入っても大丈夫なの?しかも友美さんと私は初対面だし…秋絵さん、驚いて調子崩さない?」
やっぱり心配になる。
「麻依は心配症だなぁ。まぁそれもお前のいいところなんだけどな。秋絵も楽しみにしてるんだ、大丈夫だよ。さぁ行こうか」
「うん…」
アイボリーの大きな建物の周囲は緑に囲まれていて、駐車場もとても広い。
…なんだか立地とか駐車場の感じがソレイユに似ていて、ちょっと親近感が湧いた。
時刻は10時45分。
お父さんとの約束は11時だから、ちょうどよく着いたかな。
駐車場内に入り友美さんに連絡を取ると、既に到着していたらしく、こちらの車に気づいた様だった。
1台の車が近くに来て駐車すると、そこから友美さんが降りてきたので、私達も車を降りた。
「友美さん!こんにちは」
「麻依さん、諒くん、こんにちは」
「こんにちは、遠いところ来ていただいてありがとうございます」
そこへ、私の隣に母が並ぶ。
「はじめまして。麻依の母の羽倉智世です」
諒くんの心遣いで、新幹線の最寄駅に寄って母を拾って乗せてきたんだけど、とりあえず私の母の前では大人しくしてくれてて助かった。
駅で初めて直に諒くんを見た母は「写真より素敵ね!隣に立つと本当に背が高いのね~」などキャッキャと浮かれていて、諒くんは照れながらも満更ではなさそうだった。
やっぱり恋人の親に好かれるのは嬉しいよね。
ハッ、私はどうなんだろう。
友美さんと秋絵さん、お母さんが2人いるんだもんね。
どうか嫌われませんように…
「麻依さんのお母様でいらっしゃいますか。はじめまして。諒の母の日野友美と申します」
もちろん母には事情を全て伝えてあるので慌てることはない。
「本当に麻依さんはお母様に似ていらっしゃるのね」
「はい、よく言われます」
母と頷き合う。
「あっお母さん、諒もお父さんとすごく似てるんだよ。写真を見せてもらったら、もうびっくりで」
「あら、そうなの?それはぜひ私も見たいわ!どんな方なの?そんなにそっくりなの?」
「うん、ほんとにすごいの!ね、友美さん」
「ふふ、そうね。私も初めて見た時は稔さんかと…」
なんて話していると…
「まずは入りましょうか、ここじゃ寒いし」
と、諒に笑顔で促された。
「あらやだ、女が集まるとつい話に花が咲いちゃって!」
お母さんが、口に手を当てて、反対の手は〝THE オバチャン〞みたいに手首のスナップをきかせて振るものだからみんなで笑っちゃった。
病院に入ると諒が面接の手続きを済ませ、4人で病室のあるフロアにエレベーターで上がるとお父さんが待っててくれていた。
「おっ諒くん、早くからお疲れ様だったね。麻依、智世もよく来てくれたね」
「義信さん、母をみていただいていつもありがとうございます」
病室に入る前に、談話スペースで挨拶する。
「お父さん、久しぶり」
「義信さん、久しぶりね」
「2人とも、ありがとな」
「義信さん、こちらがこの前話した僕の生みの母」
「ご挨拶が遅くなり申し訳ございません。日野友美と申します」
友美さんは深くお辞儀をした。
「私は秋絵の兄の中田義信といいます。麻依の父親でもありますがね」
「そうでしたね、お話は伺っております」
「義信さん、母はどんな具合?」
「今日はだいぶ良さそうだよ。みんなに会えるから調子がいいのかな、ハハハ」
「ねぇお父さん、大勢で病室に入っても大丈夫なの?しかも友美さんと私は初対面だし…秋絵さん、驚いて調子崩さない?」
やっぱり心配になる。
「麻依は心配症だなぁ。まぁそれもお前のいいところなんだけどな。秋絵も楽しみにしてるんだ、大丈夫だよ。さぁ行こうか」
「うん…」