太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
ギクッ
その話に行っちゃいます…?
「あ、いや…だからモテてたワケじゃないから」
「えーと、ボディーガードだっけ?中学の時は拓也さん達で、高校の時はユキナリくん…拓也さんはまぁいいとして、その、ユキナリくんて誰?どんな関係?」
ニヤリって…
目が笑ってなくてちょっとこわいんだけど。
「…あまり言いたくないな…」
「…元彼?…話したくない大事な思い出?」
「…あ、えぇと…高校の時は付き合ってなかったけど…別に大事にしまっておきたいとかじゃなくて」
「じゃあ何?」
「…諒は私からそれ聞いて何も思わないの?」
「そりゃ妬くけど」
「…私は…諒がモテてたってことには妬かないけど…付き合ってた人の事を聞いたら嫉妬でおかしくなりそうなの…過去の事でも。だから…諒も聞きたくないだろうな、って思って…」
「…麻依は俺の過去にも嫉妬するの?」
「…ん……本当に器が小さくて恥ずかしいんだけど…でも…元カノの話を聞いたら…自分と比べちゃったり…私じゃない他の人を好きな諒のことを考えたら心が痛いかも…だから私は元カノの話とかは聞けないかな…心が狭くてごめんね…」
「はぁ…」
諒がため息ついてる。
呆れられたかな…
「…ねぇ…高速降りてホテル寄っていい?そんな可愛いこと言われたらさ…今すぐにでも抱きたくなるじゃん」
「…え?」
えぇ!?
「…俺の過去の女にまで嫉妬するとかさ、可愛いすぎんだろ…ヤバ、すげぇ嬉しい。もぅ何…高速道路でこっちの煽られ方されるとは思わなかったよ、ククッ」
「…呆れてないの?」
「萌えてる、麻依に。マジで可愛い過ぎ」
おっきな手のひらで、頭をワシャワシャされた。
「あ、ありがと…」
呆れられてなくてよかった…ホッ
「じゃ、ホテル寄って「行かないよ?」
「えぇ!?」
「だって、早く帰って…イチャイチャするんでしょ?」
「ムゥ…明日も休みにすればよかった…そしたらソッコーで連れ込んで1泊すれば朝まで…いや昼までずっとイチャイチャできたのにな」
「ふふっ、そんなこと言って…でも私、そんな諒が好きだよ」
「まーいー…だから煽んないでっての」
「えっ?これも煽ってるの?」
「うん」
「…じゃあ何も言えなくなっちゃう。…今日の諒、カッコいいし、頼りになるし、かわいいし、好きって言いたくなるんだもん」
「はぁ…ちょっと麻依黙ってて。煽られすぎて安全運転できなくなるから」
そんなこと言われたら、こっちだってムゥ…ってなっちゃうよね、普通。
「まーいー…頼むから可愛いことしないで…はぁ…ヤバい」
だから普通にしてるだけなのに。
気が散って運転の邪魔になるなら黙ってるけどさー。
いーもん、後で思いっきりベッタベタに甘えて蕩(とろ)かしてもらうんだから。プンだ。
って…窓の外に向かってぽそぽそっと言ったんだけど。
「…まーいー…聞こえてる。マジでホテル行く?後でじゃなくて今すぐ甘えさせて蕩かそうか?」
独り言、聞こえてしまったらしい…
「スミマセン…」
ハイ、心を無にします…