太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
ハピバ!サプライズ!/ side麻依
ん…あれ…どうしたんだっけ…
あっ、また意識飛んじゃったのかな…
今って何時だろ…
って…あれ?諒がいない…
…どこいったの?
ベッドから降りようとして、全裸なのに気付いた。
これじゃちょっとウロウロできないな…
どうしよう…
と困っていたところに、諒がベッドルームへ戻ってきた。
「あっ、麻依、起きた?」
「うん…起きたんだけど…着るものがなくて」
「俺はそのままでいいけど?」
なんてニヤニヤしながら言うんだもん。
「やっ、恥ずかしいってば」
「ハハハッ、半分本気の冗談だけどね。今、バスローブ持ってくるから待ってて」
ふふっ、なんだかんだで優しいんだよね。
それから持ってきてもらったバスローブを羽織って夜景が見えるお部屋に行くと…
「麻依っ、誕生日おめでとう!」
諒の声と共に、テーブルに置かれたケーキが目に入った。
「え?えっ…何?」
「驚いた?」
「うん…びっくり……今日、びっくりしてばかり…」
「あはは、そうだね。でもサプライズしたかったんだ」
「諒ってサプライズ好きなの?」
「いや、今までは興味なかったけど、麻依にしてみたくなって」
「そうなんだ…ふふっ、嬉しい」
「もう12時過ぎたからね。誰よりも早くおめでとうって言いたくて。あ、ケーキ、遅い時間だけど…今日くらい、いいよね?」
「うんっ、全然平気!」
「よかった。今コーヒー持ってくる」
諒…
今回の旅行、私のためにここまでしてくれて…
ホントに感謝しきれないよ…
「はい、コーヒー」
「諒…ありがとうっ」
コーヒーを置いた諒に抱きついた。
「おっ、どうしたどうした、麻依から抱きつくとか珍しいじゃん。俺は嬉しいばっかだけど」
「うん…嬉しくって…諒の気持ちがすごく嬉しくて…ホントにありがとう。私、諒の奥さんになれるなんて…幸せ者だな」
「それは俺も同じ。麻依のその気持ちが俺も嬉しい。…さ、食べよ?じゃないとケーキよりも麻依を食べたくなるんだけど…いい?」
なんて言いながらキスしてくれた。
「ん、ケーキ食べよっか」
「ははっ、俺の希望がスルーされちゃった。じゃ、一緒にケーキ食べよ!」
こうやって自虐的な言い方で促してくれる諒の優しさが素敵だなって思う。
私もこういう風に言えるようになりたいな。