太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
楽しいひととき/side諒
ふー…
美味しすぎて予想外に食べたなー。
麻依が美味しい顔して食べるもんだから、つい俺も頼んじゃって。
麻依との食べ放題は気を付けないとな。
でもデザートは好物の杏仁豆腐を頼んだから、腹が苦しくてもこれくらいならおいしく食べられるだろう。
個室の部屋から出ると、階段近くの窓際で、ふー…と長い息を吐いた。
すると俺のすぐ後に出てきたらしい戸田さんに「食べ過ぎたね」と声をかけられた。
「そうですね、どれもすごくおいしくてつい」
やはり戸田さんには緊張するが、普通を装う。
「…麻依さんと結婚されるんですね」
「はい。プロポーズを受けて貰えたのでホッとしています」
とりあえず正直に答えた。
「俺ね、前に麻依さんに一目惚れしたんだよねー、本気で。つっても麻依さんは諒くんしか眼中にないみたいだったけど。でも…もし君が顔だけ良くて麻依さんを大事にしない男だったら俺が奪ってやる、って思ってたんだけど」
「…えぇ」
「でも2人でいるところを見たら全く入る隙がなくてさ。あれだけ諒くんが麻依さんにベタ惚れなの見たらね、クッ。それにあの【ink:platinum】の指環だろ?極めつけは『世界のミノベ』と言われるほどの人と直接の知り合いとかさぁ…ほんと勝てるワケないよ」
そう言って、戸田さんは、フッ、と両手を上げて肩をすくめた。
「俺はもうずっと麻依にベタ惚れです。もちろんこれからも。でも蓑部さんのことは俺にとっては棚ボタみたいなものですよ。父が遺してくれた縁なだけで、俺自身がすごいわけじゃないですから」
「フッ…その正直さと謙虚さがいいよね。俺は好きだわ」
「そ、そうですか…」
「とにかく、おめでとう。結婚式は無理だろうけど二次会にでも呼んでくれたら喜んで祝福しに行くよ」
「ありがとうございます。来てもらえたら嬉しいです」
…まさか戸田さんに祝福されるとは思ってもみなかった。
でもさすがというか、都会の人はこういうのもスマートなんだなー。
なんて…田舎者の偏見か。
戸田さんと話して少しお腹が落ち着いたところで2人で部屋に戻ると、ちょうどデザートが揃ったようだった。
「諒、デザート来たよ!どれも美味しそう!2個目も頼みたくなっちゃうよね、ふふっ」
こんな嬉しそうにはしゃぐ麻依の笑顔が一番のごちそうだな、なんて大人びたことを思ってたんだけど。
「あ、杏仁豆腐にさくらんぼが乗ってた!やった!」
マジで大好きなんだよ、このさくらんぼ!
「ハハハ、諒さん子供みたいっスね」
「いーじゃん、好きなんだよ」
「諒、私のもあげようか?マンゴープリンにも添えてあったの」
「えっ、いや……でもくれるならもらおかな…」
「ははははは!諒さん、サイコーっス!」
ムゥ…腹かかえて笑うなよ…
「翔琉くん、好きなものは好きなの。それでいいの」
「…それ、前にも言われたっスね…」
「諒もこれで機嫌なおしてね」
って言いながら、麻依が俺の杏仁豆腐にさくらんぼを置いてくれた!わーい。
「まーいー、ありがと!」
つか、大人の男の俺はどこ行った?
…まぁいいや。
「ふふふ、諒さんと麻依先輩はやっぱりいいコンビですぅ」
「…ほんとにな。誰も入る隙がねぇな」
「戸田さん、まだそんなこと言ってるんですかぁ?」
「いや、そういう相手がいて羨ましいってだけだよ」
「諒、私このあと杏仁豆腐頼むから、またさくらんぼあげるね」
「えっ、まだ食べるの?」
…結構食べてなかったっけ?
「うん、食べるよ。デザートだし」
「諒さん、デザートは別腹ですよぉ?」
「そぉですよぉ?」
陽依さん&松下さんのそっくりコンビが、揃って人差し指を立てながら言う。
「諒さん…女性陣には好きに食べてもらいましょう。逆らっちゃダメっス」
翔琉が頭を横に振りながら言う。
「ん、まぁ食べたいのならもちろんかまわないんだけど…別腹ってすごいね」
「そうだね…俺は同一腹だから…」
と戸田さんも同意してくれた。
その後、女性陣が2つ目のデザートを頼み、ランチタイムは終了となった。
「今日は私がご馳走するから、今度そっちに行った時に何かご馳走してちょうだいね」
麻依のお母さんがそう言って会計してくれた。
やはり男としては払わないというのは気掛かりだったのだが、お母さんの言葉の後すぐに麻依が「ふふっ、ありがとう、お母さん。今日はみんなでご馳走になるね」と言い切ってしまったので、全員でご馳走になることに。
きっと麻依は自分がそう言い出さないと、特に俺達男性陣が気にすると思ったんだろうな。
だからあんなにすぐに切り返したんだ。
…いや、元々こうなるってわかってたのかも。
やっぱ麻依も気遣いすげぇよ。
俺も大人の男にならないとな。
さくらんぼの一つや二つで笑われてもムッとしないような大人の男に…
美味しすぎて予想外に食べたなー。
麻依が美味しい顔して食べるもんだから、つい俺も頼んじゃって。
麻依との食べ放題は気を付けないとな。
でもデザートは好物の杏仁豆腐を頼んだから、腹が苦しくてもこれくらいならおいしく食べられるだろう。
個室の部屋から出ると、階段近くの窓際で、ふー…と長い息を吐いた。
すると俺のすぐ後に出てきたらしい戸田さんに「食べ過ぎたね」と声をかけられた。
「そうですね、どれもすごくおいしくてつい」
やはり戸田さんには緊張するが、普通を装う。
「…麻依さんと結婚されるんですね」
「はい。プロポーズを受けて貰えたのでホッとしています」
とりあえず正直に答えた。
「俺ね、前に麻依さんに一目惚れしたんだよねー、本気で。つっても麻依さんは諒くんしか眼中にないみたいだったけど。でも…もし君が顔だけ良くて麻依さんを大事にしない男だったら俺が奪ってやる、って思ってたんだけど」
「…えぇ」
「でも2人でいるところを見たら全く入る隙がなくてさ。あれだけ諒くんが麻依さんにベタ惚れなの見たらね、クッ。それにあの【ink:platinum】の指環だろ?極めつけは『世界のミノベ』と言われるほどの人と直接の知り合いとかさぁ…ほんと勝てるワケないよ」
そう言って、戸田さんは、フッ、と両手を上げて肩をすくめた。
「俺はもうずっと麻依にベタ惚れです。もちろんこれからも。でも蓑部さんのことは俺にとっては棚ボタみたいなものですよ。父が遺してくれた縁なだけで、俺自身がすごいわけじゃないですから」
「フッ…その正直さと謙虚さがいいよね。俺は好きだわ」
「そ、そうですか…」
「とにかく、おめでとう。結婚式は無理だろうけど二次会にでも呼んでくれたら喜んで祝福しに行くよ」
「ありがとうございます。来てもらえたら嬉しいです」
…まさか戸田さんに祝福されるとは思ってもみなかった。
でもさすがというか、都会の人はこういうのもスマートなんだなー。
なんて…田舎者の偏見か。
戸田さんと話して少しお腹が落ち着いたところで2人で部屋に戻ると、ちょうどデザートが揃ったようだった。
「諒、デザート来たよ!どれも美味しそう!2個目も頼みたくなっちゃうよね、ふふっ」
こんな嬉しそうにはしゃぐ麻依の笑顔が一番のごちそうだな、なんて大人びたことを思ってたんだけど。
「あ、杏仁豆腐にさくらんぼが乗ってた!やった!」
マジで大好きなんだよ、このさくらんぼ!
「ハハハ、諒さん子供みたいっスね」
「いーじゃん、好きなんだよ」
「諒、私のもあげようか?マンゴープリンにも添えてあったの」
「えっ、いや……でもくれるならもらおかな…」
「ははははは!諒さん、サイコーっス!」
ムゥ…腹かかえて笑うなよ…
「翔琉くん、好きなものは好きなの。それでいいの」
「…それ、前にも言われたっスね…」
「諒もこれで機嫌なおしてね」
って言いながら、麻依が俺の杏仁豆腐にさくらんぼを置いてくれた!わーい。
「まーいー、ありがと!」
つか、大人の男の俺はどこ行った?
…まぁいいや。
「ふふふ、諒さんと麻依先輩はやっぱりいいコンビですぅ」
「…ほんとにな。誰も入る隙がねぇな」
「戸田さん、まだそんなこと言ってるんですかぁ?」
「いや、そういう相手がいて羨ましいってだけだよ」
「諒、私このあと杏仁豆腐頼むから、またさくらんぼあげるね」
「えっ、まだ食べるの?」
…結構食べてなかったっけ?
「うん、食べるよ。デザートだし」
「諒さん、デザートは別腹ですよぉ?」
「そぉですよぉ?」
陽依さん&松下さんのそっくりコンビが、揃って人差し指を立てながら言う。
「諒さん…女性陣には好きに食べてもらいましょう。逆らっちゃダメっス」
翔琉が頭を横に振りながら言う。
「ん、まぁ食べたいのならもちろんかまわないんだけど…別腹ってすごいね」
「そうだね…俺は同一腹だから…」
と戸田さんも同意してくれた。
その後、女性陣が2つ目のデザートを頼み、ランチタイムは終了となった。
「今日は私がご馳走するから、今度そっちに行った時に何かご馳走してちょうだいね」
麻依のお母さんがそう言って会計してくれた。
やはり男としては払わないというのは気掛かりだったのだが、お母さんの言葉の後すぐに麻依が「ふふっ、ありがとう、お母さん。今日はみんなでご馳走になるね」と言い切ってしまったので、全員でご馳走になることに。
きっと麻依は自分がそう言い出さないと、特に俺達男性陣が気にすると思ったんだろうな。
だからあんなにすぐに切り返したんだ。
…いや、元々こうなるってわかってたのかも。
やっぱ麻依も気遣いすげぇよ。
俺も大人の男にならないとな。
さくらんぼの一つや二つで笑われてもムッとしないような大人の男に…