太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
まさかの再会/side麻依
3月も半ばを過ぎる最近はお天気の日も多くて、雪解けが進んでる。
早く春にならないかなぁ。
雪が降る地域の冬の空は曇り空が続いて、気持ちまでどんよりしてしまうことも。
だから、明るい春の陽射しがとても嬉しく感じる。
体をウーンと伸ばしながらそんなことを思う、ソレイユの玄関前。
今はお斎を終えられたご喪家様をお見送りし、全員が帰られたところ。
「麻依先輩、ホール内にお忘れ物がありましたぁ」
ロビーから聞こえるひよりんの声に振り向く。
「あれっごめん!見落としてた!」
「いえ、すごく分かりづらいところに落ちてたみたいです、お掃除の土屋さんが見つけてくださって」
「そうなんだ、じゃあフロントで預かっておこっか。担当した諒にも言っておけばいいよね」
「そうですね」
「ちなみに、忘れ物って?」
「子供用のお数珠で…コレです」
「ほんとだ、子供用だね。あれ?今回子どもさんていたっけ?」
「いえ…私は見てないですけどぉ…」
「だよねぇ…とりあえず諒に伝えてくるね」
「ハイッ」
コンコン
「失礼します、支配人、ちょっといいですか?」
事務所を覗くと諒しかいないようだった。
「あぁ麻依、どした?」
諒が座ったまま振り返った。
「あのね、ホールに落とし物があったの」
「えっ、それはごめん。一通り見たつもりだったけど」
「ううん、分かりづらいところに落ちてたって土屋さんが。それでフロントで預かっておくから、もし連絡があったら教えてもらえるかな」
「ん、了解」
諒の優しい笑顔に私も笑顔になっちゃう。
ふふっ
「麻依のその笑顔、可愛いくてキスしたくなる」
「もぉ…嬉しいからやめて」
「ハハッ、嬉しいんだ。ふ、かわいーなぁ、ほんとに。夜が楽しみだな」
「ん…じゃあまた後でね」
たぶん私、赤い顔してるなぁ。
フロントに戻る前に戻さなきゃ、と、頬をペチペチと軽くはたく。
「ひよりん、ただいま。諒に伝えてきたよ」
「あっ、ラブラブモードでしたね?うふっ」
「えっ」なぜバレた。
「麻依先輩のオーラがかわいいピンクですもん。うふっ」
「え?見えるの?」
「見えるっていうか、感じるんですよねぇ」
「へぇ…いいなぁ、それ今度詳しく聞かせて?…それじゃあ館内のチェックしようか。私はロビー見てくるね」
「じゃあ私は控室に行ってきますねッ」
ロビーで忘れ物や落とし物がないか隅々までチェックしていると、正面玄関の自動ドアが開き、その後すぐに男性の声がした。
「すみません、落とし物をしたみたいなんですが…」
今日の会葬のお客様かな。
「落とし物ですね。どういったお品でしょうか」
振り向いてその男性を見た途端、ドクッ!と心臓が跳ねた。
「あの、水色の子供用の数珠なんですが……麻依…だよな」
私の名前を言う、その男性…は…
「……隼人(はやと)さん…」
早く春にならないかなぁ。
雪が降る地域の冬の空は曇り空が続いて、気持ちまでどんよりしてしまうことも。
だから、明るい春の陽射しがとても嬉しく感じる。
体をウーンと伸ばしながらそんなことを思う、ソレイユの玄関前。
今はお斎を終えられたご喪家様をお見送りし、全員が帰られたところ。
「麻依先輩、ホール内にお忘れ物がありましたぁ」
ロビーから聞こえるひよりんの声に振り向く。
「あれっごめん!見落としてた!」
「いえ、すごく分かりづらいところに落ちてたみたいです、お掃除の土屋さんが見つけてくださって」
「そうなんだ、じゃあフロントで預かっておこっか。担当した諒にも言っておけばいいよね」
「そうですね」
「ちなみに、忘れ物って?」
「子供用のお数珠で…コレです」
「ほんとだ、子供用だね。あれ?今回子どもさんていたっけ?」
「いえ…私は見てないですけどぉ…」
「だよねぇ…とりあえず諒に伝えてくるね」
「ハイッ」
コンコン
「失礼します、支配人、ちょっといいですか?」
事務所を覗くと諒しかいないようだった。
「あぁ麻依、どした?」
諒が座ったまま振り返った。
「あのね、ホールに落とし物があったの」
「えっ、それはごめん。一通り見たつもりだったけど」
「ううん、分かりづらいところに落ちてたって土屋さんが。それでフロントで預かっておくから、もし連絡があったら教えてもらえるかな」
「ん、了解」
諒の優しい笑顔に私も笑顔になっちゃう。
ふふっ
「麻依のその笑顔、可愛いくてキスしたくなる」
「もぉ…嬉しいからやめて」
「ハハッ、嬉しいんだ。ふ、かわいーなぁ、ほんとに。夜が楽しみだな」
「ん…じゃあまた後でね」
たぶん私、赤い顔してるなぁ。
フロントに戻る前に戻さなきゃ、と、頬をペチペチと軽くはたく。
「ひよりん、ただいま。諒に伝えてきたよ」
「あっ、ラブラブモードでしたね?うふっ」
「えっ」なぜバレた。
「麻依先輩のオーラがかわいいピンクですもん。うふっ」
「え?見えるの?」
「見えるっていうか、感じるんですよねぇ」
「へぇ…いいなぁ、それ今度詳しく聞かせて?…それじゃあ館内のチェックしようか。私はロビー見てくるね」
「じゃあ私は控室に行ってきますねッ」
ロビーで忘れ物や落とし物がないか隅々までチェックしていると、正面玄関の自動ドアが開き、その後すぐに男性の声がした。
「すみません、落とし物をしたみたいなんですが…」
今日の会葬のお客様かな。
「落とし物ですね。どういったお品でしょうか」
振り向いてその男性を見た途端、ドクッ!と心臓が跳ねた。
「あの、水色の子供用の数珠なんですが……麻依…だよな」
私の名前を言う、その男性…は…
「……隼人(はやと)さん…」