太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
――あれだけあったお酒とつまみもきれいサッパリなくなって、空いた缶やお皿などを麻依と片付けていた。


「あー福田くん、本気モードで寝ちゃったね」

ソファで気持ち良さそうに眠る智さんを、キッチンに行きがてら見て言う。

「ほんとだ。…麻依の心配してたけど、麻依がザルだって知らなかったのかな」

「たぶんね。そこまで一緒に飲んだことなかったし」

「そうなんだ。同期で集まったりとかしないの?」

「んー、最初の頃はあったけど…2年位前から同期は福田くんだけになったからね、みんな辞めちゃって」

「そっか。…なんか仲良くてちょっと妬けた」

「えー?ほんとに?」

「うん…」

「ごめんね、そんなつもりはなかったんだけど…」

「いや、そこまでじゃないんだけどね。かわいいヤキモチだよ。それに…俺はそれ以上の事をしちゃったワケだし」

「え、ミキさんの事?」

「ん…俺さ、麻依の元カレ…幸成さんやハヤトさんに会っても嫉妬でおかしくならなかったのって、麻依が気のある素振りを見せなかったからだって気付いたんだ。もし麻依が元カレに好きな素振りを見せて仲良くしてたら、俺、おかしくなってたよ。…でも俺は…ミキは元カノでもなんでもないけど…そう見せちゃったから、マジで悪かったなって…」

「ううん、ほんとに…私がしょうもないヤキモチやいちゃっただけだから…気にしないで」

「麻依…ありがとう。俺、何があっても麻依しか見えてないけど、ちゃんと言わないとわからないこともあるんだって気付いたから、これからは不安にさせないようにする。だから…ずっと俺の隣にいてくれる?」

「うん…私も不安な事は必ず言うから…ずっと隣にいるよ」

麻依がぎゅうって抱きついてきた。

んー、たまらん…
このままソファに…って一瞬思ったけど、智さんがいるんだった。


「智さん…どうしようかな」

「ベッドに寝かせる?」

「…ベッドルームで鍵かけて麻依を抱こうと思ってたのに…」

「ちょ…いくら鍵かけても…」

「何?ダメ?」

「だって…声が…」

「ふ、聞かれたら恥ずかしい?」

「当たり前でしょ!? してるってバレバレだし…」

「大丈夫だよ、声を我慢すればいいだけだろ?」

「むっ無理だよぉ…」

「何で?…声を抑えられないくらい気持ちいいの?」

「ん…」

なんて…あぁもう可愛すぎだって!
声なんて聞かせちゃっていいから、思いっきり愛して抱きたい!


斯くなる上は…


「…智さん?このままソファで寝ます?」
ごろりと寝ている智さんに声をかけた。

「……んぁ?…んー寝る…おやすみー…」


ふ、誘導尋問成功。

「だって。じゃ、俺らはベッド行こ」

「ぅ…うん…」

こうして俺はまだ躊躇してる麻依の肩を抱いて、ベッドルームへ直行した。

< 183 / 268 >

この作品をシェア

pagetop