太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
……
…………

「おっはよー、諒きゅん、麻依ぴょん」

麻依と朝食の支度をしていると、智さんが起きてきた。

「あ、福田くん、おはよう」
「智さん、おはようございます。ご機嫌ですね、二日酔いは大丈夫ですか?」

「おぅよ、スッキリだぜー」

「ははは、それは何よりです」

麻依がテーブルにパンやスクランブルエッグ、コーヒーなどを並べてくれた。

「福田くんもよかったら召し上がれ」

「おっ、今日は麻依の手料理かー、サンキューな」

「料理ってほどじゃないけどね」

また麻依と智さんの馴染んだ会話にムゥ…としそうになったから話題を変えた。

「なんでそんなにご機嫌なんです?」

「ん?昨日はぐっすり寝て、すげーいい夢見てさー」

ウーン、と智さんが気持ちよさそうに身体を伸ばす。

「さ、二人とも食べよ?」

「麻依ありがと。いただきます」

「いっただっきまーす!」


「…ん!この新しいコーヒー豆の、美味しいね」

「だろ?香りがよくて買ったんだ。…で、智さんのはどんな夢だったんです?」

「フッフッフ、なんと!諒きゅんと麻依ぴょんのニャンニャンしてる夢ー!」

「「ぶはぁっ」」
麻依と二人でコーヒー吹いた。


「なっ何でそんな夢…」

「いやー、神様に願いが通じたのかなー、二人のニャンニャンが見たいってお願いしたら夢に出てきてさー。なんかすげー声の感じとかリアルでよかったわー」

「へ、へぇ…それはよかったねと言っていいのか悪いのか…」

ふ、麻依が目を泳がせながら、ちょっとうろたえてる。

「そんでさー、その夢見て、麻依を抱きてぇなー、とか、諒に抱かれてぇなー、って思ってたら夢に裸の諒が出てきてさー。またその諒んのがおっきくってさー、俺、思わず諒にちゅーしたったわー、ははは」

「「ぶほぉっ」」
麻依と二人でパン吹いた。


「あーいい夢見させてもらったわー、おかげでスッキリいい目覚め!」

何でスッキリなのかは麻依の手前聞かないでおくけど。


「…どこがいい夢なんすか…つか智さん…俺が好きなんですか?」

「おぅよ、好きだぜ?」

「…俺がもし智さんに『抱いてくれ』って言ったら抱くんですか?」

「当たり前じゃん。え…抱かしてくれんの!?」

「いえ…もしもの話です」

「なーんだ」

「じゃあ、俺と麻依が智さんに『抱いてくれ』って言ったら?」

「んなの、二人とも抱くに決まってんじゃん。何なら二人一緒に抱くし」

「…マジすか?」

「おぅよ、マジマジ」

モグモグ食べながらフツーに答える智さんに、一番気になってた質問をしてみた。

「…智さんの恋愛対象って…」

「ん?あぁ、まぁどっちも、って感じ?」
モグモグ。

「そーなの!?」

「うん」
モグモグ。

「諒…狙われないでね…」

「麻依ぴょん、安心したまえ。俺は同意なしでヤるほどアホでも節操ナシでもないからな」
モグモグ。

「そうなんだ。なら大丈夫かな…でも諒、同意しないでね」

「麻依もね…」


「つか、二人とも驚かねぇの?俺がバイって聞いて」

「あー、そう言われればそっか、バイなんだね。んー、何て言うか、普段の福田くんが福田くんだから、あまり驚かないかな。違和感ないっていうか」

「あ、それわかる。智さんならそれでもいーや、って感じ」

「うんうん」


「ふぅん…お前ら大人だな。キモいとか言わないのな」

「え?キモくないよ?福田くんだからね」
「だよな、智さんだからな」

「お前ら……いや、諒きゅん!麻依ぴょん!愛してるぜ!2人まとめて抱いていいか?」

「「断る」」
二人同時に、ビシッ!と手のひらを智さんに向けて答えた。

「うっ……お前ら…マジで出逢って1年の間柄か?何十年と生活を共にしてるみたいなシンクロだぜ…」

「ふふっ、そうだね。…何十年か共に過ごしてたのかな」

「ね。でも俺…智さんもそんな感じするんだよな」

「…諒も?」

「てことは麻依も?」

「うん。諒に思う気持ちとは全然違う感覚なんだけどね」

「わかる。俺もそう。麻依とは違うんだけど、なんかしっくりくる、みたいな感じ」

「あー、そんな感じ」

「おいおい何だよぉ、俺を置いてくなよぉ……つか何の話?それ」

「あぁごめんね。福田くん、ソウルメイトって知ってる?」

「あー、知ってるよ。それがどーかしたのか?」

「すごい!知ってるんだ、さすがだね。あのね、諒と私、ソウルメイトなんじゃないかなって言われた事があって、私達もそう思ってるんだけど」

「あー…そーいやそんな感じするな。馴染んでるっつうか同化してるっつうか」

「ふふっありがとう。で、それを、諒も私も、福田くんにも思ってるってこと。あぁ、恋愛対象ではないけど」
「うん、恋愛対象ではなく」

「…そこ強調しなくていいし。つか、そーかぁ…なんか俺もお前らは他の奴らと違う肌感覚があったんだよな。そっか、前世で繋がってたのかもな!そう考えるだけでも何か嬉しいもんだな!」

「ハハッ、そうですね」
「ふふっ、そうだね」
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