太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
俺の支度はそれほどかからなかったので、麻依が仕上がるのを今か今かと待っていた。


すると向こうのブースから「はいっ、できました~」と声が!


「麻依?そっち行っていい?」

「…うん、どうぞ」


ドキドキしながら仕切りの向こうに行って、麻依を一目見た俺はその場に固まってしまった。


純白のドレス。
華奢で綺麗な肩を惜しみなく出したビスチェタイプにスカートはふわっふわのプリンセスライン。
デザインはとてもシンプルで、それが彼女の良さを引き立てている。
髪は高めのシニヨンで少しルーズ感を出していて、ちょこんと乗ったティアラが可愛さを醸し出す。
メイクはピンク系でまとめてあって、ナチュラルなのにハッキリとした可愛さに仕上がっている。

―――ナレーションby紫由布


かっ…か…可愛い!!
やっべぇ、かわいすぎるって!!
え、ちょ、待…



「…諒…?えっと…どうかな…」

麻依に言葉をかけられてようやく我に返った。

「…か…可愛いすぎ…」

出てきた言葉がコレって。
俺、語彙失いすぎ。

麻依が「ふふっ、ほんと?」って、笑ってる。

「か……可愛すぎて……言葉が出てこない…」

マジで…

「ほらー!だから言ったじゃん!麻依、チョー可愛いんだって!!」

「う、うん…そうなの?…かな?」

「諒くんがあの状態なんだよー?あっそうだ。少し2人きりにさせるから、諒くんと話しなよ」

「えっ、千紗」

「はーい、じゃあスタッフはスタジオにレッツゴー。じゃ、私はこの部屋から出たとこで待ってるから、話が終わったらそのまま出てきてね」

……パタン……

スタッフさんが出ていった部屋に、麻依と2人きり。

俺を見上げる麻依が…
少し顔が赤くて…


「…すげぇ可愛い…」

「ほんと?全然喋らないから似合ってないのかと思っちゃった」

「全然っ!すげぇ似合ってて可愛いくて…可愛すぎて…ごめん…マジで言葉失ってた。今出せる言葉は…誰にも見せたくないってのと、こんな超絶可愛い麻依が俺の奥さんになるとか俺って幸せ者だな、って」

「ふふっ…こんな素敵な諒に言われたら嬉しすぎて泣きそう」

「俺、素敵?」

「ん…カッコよくて…大人っぽくて…ドキドキする」

「あー…抱きしめたい…キスしたいのに…これから撮影かと思うと手を出せない…くぅ…」

「あはは、そうだね、お化粧崩れちゃうもんね」

「…何でそんな笑ってられんの」ムゥ

「ふふっ、わかってるよ、諒の気持ち。私もおんなじだもん。抱きしめられたいし、キスもしたい。でも今は我慢する。あとのお楽しみに取っておくから。ね?」

そう言って首を傾げて笑う麻依につられて俺も、ふ、と笑顔になった。

「やっぱ麻依ってすげぇな。俺を操る天才」

マジでさ。

「よし、わかった!あとのお楽しみな?フッ、楽しみ~」

ニヤニヤと麻依に笑いかけて、2人で更衣室を出た。
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