太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

結婚式前日!/side諒

お通夜もなく就業時間を迎えたフロントの事務所にて。

「いよいよ明日ですね!諒さんと麻依先輩の結婚式!」

「ふふっ、そうだね、もう明日かぁ」

「諒も忙しい中、準備も大変だっただろ?」

「修さんは大変でした?」

「あぁ、結構決めることの期限とかあってバタバタした記憶があるな。でも衣装の撮影は楽しかったけどな」

「ははは、ある意味コスプレですもんね。俺はどれもすげぇ楽しくて、大変とは思わなかったですよ」

「へー、諒さん、準備を楽しめるってすごいっスね。友達は面倒くさいって言ってたけど」

「だよなー、さすが諒だぜ。つか楽しみだな!諒のタキシード姿と麻依のドレス姿!あと余興!」

「余興って何やるの?私、聞いてないんだけど」

「麻依ぴょんは当日のぉ、お・た・の・し・み!だぜッ」

「そっか、じゃあ明日のお楽しみにしておくね、ふふっ。明日は私達も楽しみたいと思ってるので、よろしくお願いします」

「ハイッ、私達もすっごく楽しみにしてますからねッ」


コンコン

「はーい。あ、渡瀬さんとカナさん!」

「やほー、お疲れ」
「いよいよ明日だな、麻依ちゃん、諒」

いつの間にか渡瀬さんに名前で呼ばれてた俺。
なんか嬉しいな。

「はい、今みんなでそれを話してたところですよ」

「もー麻依っちと諒くんの衣装がすっごい楽しみでー。あ、詩音(しおん)と礼音(れおん)も楽しみにしてたよ」

「ふふっ、期待に応えられるといいんだけど」

「期待は絶対に裏切りませんから。それは俺が保証します。でも詩音くんと礼音くんに麻依に惚れないように言っといてくださいね」

「あっははは、ウチの子は大丈夫よー、諒くんの敵にすらなれないし、そもそも諒くんにも憧れてんだから」

「え、そうなんですか?」

「そうなんだよ、俺のスマホで諒を見て『この人カッケぇ』って」

「諒、すごいね、男の子にも憧れられるんだね。ふふ」

「ん、それは素直に嬉しい…」

「調理のやつらもみんな楽しみにしてっからな、明日はまず主役の2人が楽しめよ!」

「ありがとうございます、渡瀬さん」

「じゃあ明日な」

「私もお先に。修さん、先に帰るね」
「あぁ、俺もすぐ帰る」

「では、今日はおとなしく解散して、明日は遅くまで楽しもうぜ!」

「智さん、締めの言葉をありがとうございます」

「おぅよ、じゃあ明日なッ!」



みんなが俺達の結婚式を楽しみにしてくれている。

こんな現実を、ソレイユに来る前の俺は…想像すらできなかった。


俺の人生を変えてくれた麻依を、一生、大事にする。
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