太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
「それでは、もうひと方、ご紹介いたします」
え?他に誰か予定してたっけ?
諒と顔を見合わせ、2人で首を傾げてると、モニターが切り替わった。
そこに映し出されたのは、和やかに笑う蓑部さんだった。
「「あっ!蓑部さん!」」
2人同時に声を発した。
「諒くん、麻依さん、ご結婚おめでとう。今日はそちらに行けなくて申し訳なかったね。ラスベガスから失礼するよ」
会場がざわついた。
そりゃあ世界的に有名な方だものね。
「蓑部さん、ありがとうございます!すいません、お忙しいのに」
「諒くんのお母様方、麻依さんの親御様、ご親戚の皆様、そして会場の皆さん、本日は誠におめでとうございます。私は蓑部洋といいまして、絵描きを生業にしている者です」
再度、会場にどよめきが起こる。
「私は諒くんのお父さん、佐伯雅晴くんが存命だった頃、彼を弟の様にかわいがっていましてね。ですから諒くんも私にとっては息子の様なものなんですよ。そして麻依さんとは、麻依さんのお母様と仕事でご一緒した縁がありましてね。私にとって、諒くんと麻依さんの結婚は身内の祝い事の様なものなんです」
すると、式場のスタッフさんが2人で布がかかった大きな板状の物を運んできた。
それをそーっと置くと、蓑部さんがまた話し出した。
「本当は会って直接渡したかったんだがすぐには帰れなくてね。先にお渡ししておきたくて、そちらに送らせてもらったんだ。受け取ってもらえるかな?」
え?私達に、ということ?
「さぁ、諒、麻依さん、こっちに来て」
修さんに言われて2人で席を立つと、諒が私の手をとって歩き出した。
「蓑部さんから届いたプレゼントだよ。合図でこの布をとってごらん」
1、2の、3ッ
諒と2人で布をふわりと取ると、そこには優しいタッチで描かれた諒と私…
しかもカラードレス姿で戯れてる…
「何でドレスの…?」
『実はね、元々2人の絵は描いてあったんだ。12月に会った時に写真も撮らせてもらったし。だがね、そちらの北条さんと北見さんから前撮りの写真を頂いて、それを見たら自然と筆が動いてね…私の気持ちを乗せた作品なんだ。どうか受け取ってほしい』
「千紗、北見さん…」
そんなこと一言も…
見ると、千紗がウインクしながらピースを返した。
部屋の端に待機してる北見さんもニコニコ顔でピース。
「蓑部さん…ありがとうございます!お忙しいのに俺達のために…本当にすごく嬉しいです!」
諒が私に笑顔を向ける。
「はい、すごく素敵な絵で…とっても嬉しいです!ありがとうございます!家宝にします!ね、諒」
『そうかい…喜んでもらえて私も嬉しいよ。あぁ、前に描いた方は今度会った時に渡すのでいいかな?』
「もちろんです!ありがとうございます!」
『ははは、それじゃあ私は一旦失礼するよ。あぁ、そちらの状況は見させて頂くけどね』
「蓑部さん、ラスベガスからありがとうございました」
修さんが最後にそう言うとモニターは切れた。
諒にマイクが渡されると、やや動揺しながら話し出した。
「…ちょっと蓑部さんが出られるのは俺も聞いてなかったので…驚いてます。…それでは、すごいゲストの後なのでお恥ずかしいですが、よかったら俺達の自己紹介動画をご覧ください」
諒がそう言うと、モニターに私達の作った動画が流れ始めた。
2人の小さい頃の写真が映し出されて、会場から温かい歓声が沸く。
あ、日野のお父さんが小さな諒を抱っこしてる写真。
「あれ、諒の父ちゃんか!? つか、モロ諒じゃん!はー、かっけぇなー、遺伝子強ぇ!」
福田くんが言うと翔琉くんとひよりんも続く。
「マジ諒さんっスねー…」
「ほんと、そっくりですぅ…それに赤ちゃんの諒さん、すごくカワイイですねッ」
今度は私のお母さんが小さな私を抱っこしてる写真に。
「あれ、麻依の母ちゃんだよな?つか、モロ麻依じゃん!はー、美人だなー、遺伝子強ぇ!」
「智さん、諒さんの時と同じ言い回しっスね」
「いや、それしか言葉が出て来ねぇんだって!はー、お前ら2人していい遺伝子貰いすぎな!俺にも分けてくれ!」
「だから無理ですって」
「智、うるさい」
「ほーい」
こんな調子で主に福田くんにいじられながら、披露宴は和やかに楽しく進んでいった。
え?他に誰か予定してたっけ?
諒と顔を見合わせ、2人で首を傾げてると、モニターが切り替わった。
そこに映し出されたのは、和やかに笑う蓑部さんだった。
「「あっ!蓑部さん!」」
2人同時に声を発した。
「諒くん、麻依さん、ご結婚おめでとう。今日はそちらに行けなくて申し訳なかったね。ラスベガスから失礼するよ」
会場がざわついた。
そりゃあ世界的に有名な方だものね。
「蓑部さん、ありがとうございます!すいません、お忙しいのに」
「諒くんのお母様方、麻依さんの親御様、ご親戚の皆様、そして会場の皆さん、本日は誠におめでとうございます。私は蓑部洋といいまして、絵描きを生業にしている者です」
再度、会場にどよめきが起こる。
「私は諒くんのお父さん、佐伯雅晴くんが存命だった頃、彼を弟の様にかわいがっていましてね。ですから諒くんも私にとっては息子の様なものなんですよ。そして麻依さんとは、麻依さんのお母様と仕事でご一緒した縁がありましてね。私にとって、諒くんと麻依さんの結婚は身内の祝い事の様なものなんです」
すると、式場のスタッフさんが2人で布がかかった大きな板状の物を運んできた。
それをそーっと置くと、蓑部さんがまた話し出した。
「本当は会って直接渡したかったんだがすぐには帰れなくてね。先にお渡ししておきたくて、そちらに送らせてもらったんだ。受け取ってもらえるかな?」
え?私達に、ということ?
「さぁ、諒、麻依さん、こっちに来て」
修さんに言われて2人で席を立つと、諒が私の手をとって歩き出した。
「蓑部さんから届いたプレゼントだよ。合図でこの布をとってごらん」
1、2の、3ッ
諒と2人で布をふわりと取ると、そこには優しいタッチで描かれた諒と私…
しかもカラードレス姿で戯れてる…
「何でドレスの…?」
『実はね、元々2人の絵は描いてあったんだ。12月に会った時に写真も撮らせてもらったし。だがね、そちらの北条さんと北見さんから前撮りの写真を頂いて、それを見たら自然と筆が動いてね…私の気持ちを乗せた作品なんだ。どうか受け取ってほしい』
「千紗、北見さん…」
そんなこと一言も…
見ると、千紗がウインクしながらピースを返した。
部屋の端に待機してる北見さんもニコニコ顔でピース。
「蓑部さん…ありがとうございます!お忙しいのに俺達のために…本当にすごく嬉しいです!」
諒が私に笑顔を向ける。
「はい、すごく素敵な絵で…とっても嬉しいです!ありがとうございます!家宝にします!ね、諒」
『そうかい…喜んでもらえて私も嬉しいよ。あぁ、前に描いた方は今度会った時に渡すのでいいかな?』
「もちろんです!ありがとうございます!」
『ははは、それじゃあ私は一旦失礼するよ。あぁ、そちらの状況は見させて頂くけどね』
「蓑部さん、ラスベガスからありがとうございました」
修さんが最後にそう言うとモニターは切れた。
諒にマイクが渡されると、やや動揺しながら話し出した。
「…ちょっと蓑部さんが出られるのは俺も聞いてなかったので…驚いてます。…それでは、すごいゲストの後なのでお恥ずかしいですが、よかったら俺達の自己紹介動画をご覧ください」
諒がそう言うと、モニターに私達の作った動画が流れ始めた。
2人の小さい頃の写真が映し出されて、会場から温かい歓声が沸く。
あ、日野のお父さんが小さな諒を抱っこしてる写真。
「あれ、諒の父ちゃんか!? つか、モロ諒じゃん!はー、かっけぇなー、遺伝子強ぇ!」
福田くんが言うと翔琉くんとひよりんも続く。
「マジ諒さんっスねー…」
「ほんと、そっくりですぅ…それに赤ちゃんの諒さん、すごくカワイイですねッ」
今度は私のお母さんが小さな私を抱っこしてる写真に。
「あれ、麻依の母ちゃんだよな?つか、モロ麻依じゃん!はー、美人だなー、遺伝子強ぇ!」
「智さん、諒さんの時と同じ言い回しっスね」
「いや、それしか言葉が出て来ねぇんだって!はー、お前ら2人していい遺伝子貰いすぎな!俺にも分けてくれ!」
「だから無理ですって」
「智、うるさい」
「ほーい」
こんな調子で主に福田くんにいじられながら、披露宴は和やかに楽しく進んでいった。