太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
~パパの葛藤~
これは息子の旭が生まれて3か月の頃のおはなし――
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はぁぁぁぁ……
今日の施行が無事に終わり、事務所に戻ると俺はおっきなため息をついた。
すると、テレビの話題で盛り上がってた智さんと翔琉が振り向いた。
「お疲れ、諒。どーした、施行で何かあったのか?」
「諒さんが施行でため息とか珍しいっスね」
軽く心配されたので、俺は話すことにした。
「いや、仕事じゃないんだけど……実はちょっと悩みというか…」
「おぅよ、言ってみろよ。力になるぜ?」
「そっスよ、一緒に考えましょーよ」
「ありがと…」
ふぅ…
「あのさ、俺……あーくんを愛せないかも…」
「はぁあ?お前が?旭を?」
智さんがすっとんきょうな声をあげた。
「あんなに旭くんにデレデレのパパがどーしたんスか?」
翔琉もびっくりした顔で聞いてくれる。
「……だって…あーくんが……」
「おっ、ナンダナンダ?旭は諒の子じゃないってか?俺の子だったってか?」
「智さん、それはないっスね。俺でもわかります」
「翔琉なんてプンだ。…で、旭がどーしたよ」
「はぁ……麻依の……」
「あぁ、あれっスか?麻依さん、ガルガル期とかってやつっスか?それで麻依さんが優しくないとか?」
「いや、麻依はいつだって可愛くて優しいよ」
「じゃあ何なんだよ」
はぁ…
ため息を一つついて言う。
「麻依の…おっぱいが…あーくんに独り占めされているんだ……はぁ…俺……あーくんを愛せないかもしれない…」
「…………」
「…………」
真顔の二人が無言で俺を見た。
「…でさ翔琉、さっきの話の続きだけどよ」
「あー、優勝したお笑い芸人っスよね、はいはい」
あっ、スルー!
「ちょっと待って、力になってくれるんだよね?一緒に考えてくれるんだよね?」
「いや…それは考えるまでもないだろ」
「そっスよ」
「考えるまでもないって…答えが、解決策があるんですか!?」
「あぁ」
「何ですか!? 教えてくださいよ!」
「そりゃーお前が我慢すりゃいいだけの話だろ」
「そっスね。俺でもわかります」
「……そうなのか……やっぱ俺が麻依のおっぱいを我慢しなきゃなのか……はぁ…」
「智さん…俺、だんだん諒さんのキャラがわからなくなってきたっス」
「マジそれな。つか諒はどこまで進化すんだ…。その内『麻依とくっついて一つの生命体になりたい』とか言い出すんじゃねぇか?」
麻依と一つの生命体か…
それもいいな…
…まぁいいよ、どうとでも言ってくれ。
俺は麻依が可愛くて愛しくてしょうがないんだ!
その麻依の全部は俺のだったのに…
それなのに…
あーくんに…おっぱいを取られている…
くぅ……
でもおっぱいを飲むあーくんもかわいいんだよな…
くぅ………
パパは辛いぜ……