太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
夕飯の後、あーくんをお風呂に入れるのが俺の日課。

で、麻依があーくんを俺から受け取って、風呂上がりのお世話と寝かしつけをしてくれる。


「諒、ありがとね。もうぐっすりだよ、あーくん」

風呂からあがったパジャマ姿の俺に、麻依が声をかけてくれる。

「麻依もお疲れ。今日は寝付くの早かったね」

「うん、だから私も今の内にお風呂入っちゃおうかな」

「そうしなよ、俺があーくん見てるから、ゆっくり入っておいで」

「ふふっ、ありがと。諒はお世話もすっかり慣れて、ほんとにいいパパだよね」

あー、麻依のその笑顔がたまらん。


…そういえば…
確かに少しだけど、慣れてきたとは思う。
最初の頃はオムツ替えもお風呂もあんなにおっかなびっくりだったのにな。

「麻依はもう立派なママだけどね」
ほんとにそう思うよ。

「そんなことないよ、日中もまだ戸惑うこと多いし」

「そう?休みの日に見てると、しっかりできてると思うけど…」

「それは諒がいてくれるからだよ」

「ん?」

「諒がいてくれるから安心していられるの。でも一人だとやっぱりあたふたしちゃう事が多くて」

「そっか…赤ちゃん育児は休みもないし体調管理も気を遣うし大変だもんな。俺、もう少し育休取ろうかな…」

「ありがと。でも大丈夫。それに楽しいんだよ、あーくんのお世話しながら一緒に過ごしてるのって」

「うん、それは見ててわかるけどさ」

「それにね、こうして諒が私のことを気にかけててくれるのが、すっごく心の支えになってるの。だから大丈夫だよ」

「そうか…?でも辛かったらすぐに言ってよ?休み取るから」

「ん、ありがとう。じゃあお風呂入ってくるねっ」

可愛い笑顔でバスルームに向かった麻依を見送った。


さーて…あーくん、ママが来るまでいいこで寝ていような。

って心の中で話しかけてたんだけど。

そうはいかないのが赤ちゃん育児なんだよなー…


< 214 / 268 >

この作品をシェア

pagetop