太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
気になるあの人/side諒
ここにきて、中沢さんから支配人を受け継いでもう1ヵ月経つのか…
自分が支配人なんて務まるのかと不安に思っていたけど…
とにかくやらなければいけない事はたくさんあってがむしゃらに働いていると、困っている時には必ずソレイユのスタッフの人達が声をかけて、助けてくれる。
ま、それは俺に限ったことではなく、誰が誰に対してもそうであるのだけど。
施行担当の上原さんと高見くんは一緒にいる時間が多いせいか、よく話してくれる。
高見くんには懐かれているというか弄られているというか、微妙なところだが。
俺は…誰とも深く関わらない方がラクなんだけど…
いや、ラクだったはずなんだけど…
ここにきてから関わる事にあまり抵抗がなくなってきた。
…気がする。
それは何故だか自分でもわからない。
とりわけ、フロントの羽倉さんには何かと助けられている。
…気がする。
仕事でまだ慣れていない時も、ただやり方を教えてくれるのではなく、俺に1社のやり方を聞いて、そことの違いを一緒に考えた上で、ここでのやり方を教えてくれた。
そして最近ではよくソレイユのスタッフの人に質問を受ける事が多くなってきたのだけど、やはりあまり答えたくないこともあるわけで…
下手に強く断るのもな…と困っていると、どこからともなく羽倉さんが「なになに、なんの話~?」と輪に入ってきてくれる。
質問攻めに困っているとわかると、人差し指を小さく動かして「それは支配人だけのヒミツでーす」とか「ごめんなさーい、その質問はNGでーす。マネージャーの私を通してくださーい」と口元に両手の人差し指でバツを作って冗談めかして言ったり、とにかく場の空気を壊さない様に俺に代わって答えてくれる。
皆もそれでわかってくれるようで、渡瀬さんは質問している人達に「お前たち、ナントカって雑誌の記者みたいだな、ガハハ」と笑い飛ばしてくれたり「そのヒミツ、いつか記者会見で聞かせてくださいねー」と嫌な顔せずにサラリとスルーしてくれる。
うん、大人だな。
てか、羽倉さんて子育て上手そうだよな…
福田さんから聞いていた
――ソレイユのフロントにいる〝ハクラ マイ〞はできた女だから、何かあれば頼れよ。美人だけど鼻にかけないわ、やたら他人の事を気にかけるわ、真面目だけど面白いわ、マジでいいヤツだから――
が、俺の中で事あるごとに脳内再生されるが、実際のところ、俺が頼る前に助けられている…
そんな感じなんだよな…
あっ!
…もしかして、福田さんは羽倉さんに俺の事を問題児か何かと言ってあったのか…?
それであんなに気に掛けてくれているのか?
…俺は…子ども扱い…?
あー……きっとそうだ。
羽倉さんにとって、俺は子ども…しかも問題児扱いなんだな…たぶん。
はぁぁ…
なんか男として情けねぇな…
男として見られたい――
そんな感情が芽生えていた事に、俺は気づいていなかった。
自分が支配人なんて務まるのかと不安に思っていたけど…
とにかくやらなければいけない事はたくさんあってがむしゃらに働いていると、困っている時には必ずソレイユのスタッフの人達が声をかけて、助けてくれる。
ま、それは俺に限ったことではなく、誰が誰に対してもそうであるのだけど。
施行担当の上原さんと高見くんは一緒にいる時間が多いせいか、よく話してくれる。
高見くんには懐かれているというか弄られているというか、微妙なところだが。
俺は…誰とも深く関わらない方がラクなんだけど…
いや、ラクだったはずなんだけど…
ここにきてから関わる事にあまり抵抗がなくなってきた。
…気がする。
それは何故だか自分でもわからない。
とりわけ、フロントの羽倉さんには何かと助けられている。
…気がする。
仕事でまだ慣れていない時も、ただやり方を教えてくれるのではなく、俺に1社のやり方を聞いて、そことの違いを一緒に考えた上で、ここでのやり方を教えてくれた。
そして最近ではよくソレイユのスタッフの人に質問を受ける事が多くなってきたのだけど、やはりあまり答えたくないこともあるわけで…
下手に強く断るのもな…と困っていると、どこからともなく羽倉さんが「なになに、なんの話~?」と輪に入ってきてくれる。
質問攻めに困っているとわかると、人差し指を小さく動かして「それは支配人だけのヒミツでーす」とか「ごめんなさーい、その質問はNGでーす。マネージャーの私を通してくださーい」と口元に両手の人差し指でバツを作って冗談めかして言ったり、とにかく場の空気を壊さない様に俺に代わって答えてくれる。
皆もそれでわかってくれるようで、渡瀬さんは質問している人達に「お前たち、ナントカって雑誌の記者みたいだな、ガハハ」と笑い飛ばしてくれたり「そのヒミツ、いつか記者会見で聞かせてくださいねー」と嫌な顔せずにサラリとスルーしてくれる。
うん、大人だな。
てか、羽倉さんて子育て上手そうだよな…
福田さんから聞いていた
――ソレイユのフロントにいる〝ハクラ マイ〞はできた女だから、何かあれば頼れよ。美人だけど鼻にかけないわ、やたら他人の事を気にかけるわ、真面目だけど面白いわ、マジでいいヤツだから――
が、俺の中で事あるごとに脳内再生されるが、実際のところ、俺が頼る前に助けられている…
そんな感じなんだよな…
あっ!
…もしかして、福田さんは羽倉さんに俺の事を問題児か何かと言ってあったのか…?
それであんなに気に掛けてくれているのか?
…俺は…子ども扱い…?
あー……きっとそうだ。
羽倉さんにとって、俺は子ども…しかも問題児扱いなんだな…たぶん。
はぁぁ…
なんか男として情けねぇな…
男として見られたい――
そんな感情が芽生えていた事に、俺は気づいていなかった。