太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
「…で、テレビ局って一体何の話です?」

まだまだ暑さの続く9月半ば。
青々と茂る芝生と夏の花々が咲き続けるガーデンを見渡せるエントランスロビーで、千紗さんは事の成り行きを教えてくれた。


「JNテレビの夕方の県内ニュースでたまにやる『JN疑問解決隊!』ってコーナーあるじゃない?あれにさ、ウチのCMの美男美女を調べてほしい!って投稿がわんさか来てるんだって」

「「へぇ…」」

「で、森田社長は、会社としてもテレビ出演はOKだから、あとは主役である諒くんと麻依が良ければぜひ出たいね、だって。まぁ出演て言っても生放送の5分位のコーナーだけどね」

…テレビかぁ…

「諒、どうする?」
「俺は出てもいいけど。麻依はイヤ?」
「んー、嫌じゃないんだけど…ちょっと恥ずかしいかな…」
「ふ、大丈夫だよ。ずっと俺が一緒にいるし、もちろんフォローもするし」
「…ん、じゃあいいよ、ふふっ」

「じゃOKってことで。詳細がわかったらまた連絡するからよろしく」


そして俺達がフルールさんをお暇する間際、千紗さんが「あっ、そうそう」と付け加えた。

「職場の人も何人か連れてきていいってさ、にぎやかしみたいな感じだけど。呼ぶなら人数教えてね~」



…駐車場に向かいながら麻依と話す。

「職場の人…で、にぎやかし…だって」

「…ん……」

「麻依……智さんが思い浮かばなかった?あぁ、呼べない方で」

「ん…ズバリその通り」

「やっぱね…絶対連れて行けないよな…」

「だよね…」




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