太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
彼らのやり取りを見て「アハハ!仲がいいんですね」とカラカラ笑う郁田さんが、そのままの笑顔を俺達に向けた。
「麻依さん、予定日はいつ頃なんですか?」
「えっと、実は妊娠してるって判ったのは最近なんです。今は妊娠3か月で、予定日は来年の4月なのでまだまだ先なんですけどね」
「でも初めての妊娠だし、俺は心配で心配で…。あっ、ハネムーンベビーなんですよ!」
何か嬉しくてつい言っちゃうんだよな、俺。
「そうなんですか~、本当におめでとうございます!すごく諒さんの嬉しさが伝わってきますよ。あのCMのラブラブっぷりはホントにそのまんまのお二人なんだ~!って納得です。ふふふふ」
「えぇ、俺は麻依を溺愛してますから」
「そーなんすよ、諒はマジで麻依にデレッデレで、溺愛って言葉じゃ足りないくらい溺愛してますから。あぁ麻依もですよ?しっかり者だけどこー見えて麻依も諒にベタ惚れで甘々っすからねー」
「シッ!智はいいから黙ってろって」
「いやぁ、コイツらの事はやっぱ俺が言ってやらないとね、ヘヘッ」
「智さんの口にガムテープ貼っときますぅ?何なら手足もグルグルって」
「そうだな、陽依。そこのガムテ借りるか」
「ちょー待て、ガムテって何だよ!俺を梱包してどっかに送りつける気か!?」
「アハハハハ!ほんとにソレイユさんの皆さんは仲がいいんですねぇ!それに皆さん、ビックリするくらい美形揃いですよね!…これはまた別企画で密着したいかも」
「ぜひお願いしますよ。宣伝にもなりますしね、ハッハッハ」
「おじさん、俺達を宣伝に使わないでください。ていうか…あぁ、今回のも宣伝の一環てことなんですね…」
それには「んー?ハッハッハ」と肯定も否定もなく、豪快な笑いしか返って来なかった。
その後の本番は打ち合わせ通りに進み、ちょいちょい智さんの横槍は入ったものの、やはりそこはさすが智さんで、うまい具合に笑いに変えて丸く収めていた。
(こっちはヒヤヒヤしたけどね)
しかし…このJNテレビ出演は一波瀾の序章にすぎなかったんだ――