太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
「……それにしても、智さんが行かないって言うとは思わなかったな」
月乃さんの件を何となく忘れたくて、ふと思い出した智さんを話題に出した。
「ほんとだよね。イベント好きなのに珍しいよね。キー局の、しかも有名番組の収録なんて、断っても絶対について来ると思ったんだけど」
「だよなぁ、ははは」
なんて話していると俺のスマホに着信があり、見るとそれは智さんからのテレビ電話だった。
「噂してたからかな…しかもテレビ電話とか……こわっ」
なんて麻依は微妙な顔してる。ははっ。
やっぱテレビ局や収録の事を聞きたいんだろうなー、などと興味津々の智さんを想像しながら通話に出た。
「智さん、お疲れ様です」
『おぅ、お疲れー!今、ホテル?』
「はい、収録も無事に終わって、今はホテルの部屋で一息ついてたところです」
麻依をバックハグしたまま、二人が見える位置にスマホを置いた。
『おっ麻依もお疲れー!疲れただろー?ちゃんと休めよー!ホテルってラピスグランドの高輪だっけ、そこ新しいんだよな、いーなー。そいやMテレで芸能人たくさん見たかー?』
なんて一方的に喋られて、麻依がテレビ局で見た芸能人を説明してたんだけど、それが途切れて数秒経つと……『なぁ、諒』と珍しく真面目な顔になった。
『お前…月乃ナルミの元彼ってマジか?』
え!何でその話を…
『なぁ、どうなんだよ』
「いえ…違います。と言いたい所ですが、正直なところわかりません」
『はぁ?わからないって何だよ』
「あのね、諒は覚えてないんだって、元カノの顔も名前も。でもさっき月乃さんに会った時、初めて見る人だって言ってたし、私にもそう見えたよ」
『ふーん…』
「マジで知らない顔の人にいきなり名前言われて驚きましたから…」
『プロポーズしたんだって?』
「だからしてませんって……俺は麻依にしたのが初めてですから!それに元カノって言っても恋人らしい事なんてしたことないですからね。…そもそも付き合いたいとすら思わないほど興味もない女にプロポーズなんてしませんよ」
『ふーん…』
「マジですって!」
「元カノかどうかは別として、私も諒はプロポーズはしてないと思うよ」
『…ま、そうだろうな。昔のあの諒が誰かにプロポーズできるとは思わねぇよ。俺もお前を信じてるぜ』
「智さん…ありがとうございます」
…智さんの言葉にホッとする自分がいた。
何だろう、智さんに信じてもらえると妙な安心感がある。
「まぁ…さっきのは未だにワケがわかりませんが、でももう月乃さんとも会うこともないだろうし大丈夫だと思いますけどね」
『…いや、油断するなよ』
「え?」
『アイツにタゲられるとかなりしつこいって聞くし、裏の噂じゃアイツのやり方はかなりヤベェからよ、マジで気を付けろよ』
「そうなんですか……わかりました。忠告は気にかけておきます」
『おぅよ、気にしとけよ。…そいや夕飯はどっか外に行くのか?』
また軽いノリの雰囲気に戻って安堵した。
なぜか智さんの真面目な話は圧力を感じるんだよな…
「いえ、これ以上麻依を疲れさせたくないので、さっきホテル内のレストランを予約しました。千紗さんも一緒に三人分。イタリアンのお店が案外お手頃価格で良さそうだったんで」
『へー、いーじゃん。時間は?もう行くのか?』
「いえ、19時なのでもう少しゆっくりしてます」
『そっか、ゆっくりできるならいーな。まぁ慣れない東京で店を探すのも面倒だしな、ホテルん中ならラクでいーよな。…んじゃ明日は気をつけて帰ってこいよ!』
「ありがとうございます、では」
スマホのカバーを閉じて傍らに置くと、また麻依を抱き締めた。
「なんか…智さんがいい人すぎて怖いんだけど」
「だよね…そこまで首突っ込んでおきながらも、あっさり引き下がりすぎだよね…」
「ていうか、智さんて芸能界にやたら詳しいとは思ってたけど、そんな裏話にまで詳しいんだな……何でだろ…」
「んー…よく分かんない人だよねー…」
なんて言いながらも、俺達は何だかんだで智さんが好きで、今も電話で話してホッとしてる俺がいたりするんだよな。
月乃さんの件を何となく忘れたくて、ふと思い出した智さんを話題に出した。
「ほんとだよね。イベント好きなのに珍しいよね。キー局の、しかも有名番組の収録なんて、断っても絶対について来ると思ったんだけど」
「だよなぁ、ははは」
なんて話していると俺のスマホに着信があり、見るとそれは智さんからのテレビ電話だった。
「噂してたからかな…しかもテレビ電話とか……こわっ」
なんて麻依は微妙な顔してる。ははっ。
やっぱテレビ局や収録の事を聞きたいんだろうなー、などと興味津々の智さんを想像しながら通話に出た。
「智さん、お疲れ様です」
『おぅ、お疲れー!今、ホテル?』
「はい、収録も無事に終わって、今はホテルの部屋で一息ついてたところです」
麻依をバックハグしたまま、二人が見える位置にスマホを置いた。
『おっ麻依もお疲れー!疲れただろー?ちゃんと休めよー!ホテルってラピスグランドの高輪だっけ、そこ新しいんだよな、いーなー。そいやMテレで芸能人たくさん見たかー?』
なんて一方的に喋られて、麻依がテレビ局で見た芸能人を説明してたんだけど、それが途切れて数秒経つと……『なぁ、諒』と珍しく真面目な顔になった。
『お前…月乃ナルミの元彼ってマジか?』
え!何でその話を…
『なぁ、どうなんだよ』
「いえ…違います。と言いたい所ですが、正直なところわかりません」
『はぁ?わからないって何だよ』
「あのね、諒は覚えてないんだって、元カノの顔も名前も。でもさっき月乃さんに会った時、初めて見る人だって言ってたし、私にもそう見えたよ」
『ふーん…』
「マジで知らない顔の人にいきなり名前言われて驚きましたから…」
『プロポーズしたんだって?』
「だからしてませんって……俺は麻依にしたのが初めてですから!それに元カノって言っても恋人らしい事なんてしたことないですからね。…そもそも付き合いたいとすら思わないほど興味もない女にプロポーズなんてしませんよ」
『ふーん…』
「マジですって!」
「元カノかどうかは別として、私も諒はプロポーズはしてないと思うよ」
『…ま、そうだろうな。昔のあの諒が誰かにプロポーズできるとは思わねぇよ。俺もお前を信じてるぜ』
「智さん…ありがとうございます」
…智さんの言葉にホッとする自分がいた。
何だろう、智さんに信じてもらえると妙な安心感がある。
「まぁ…さっきのは未だにワケがわかりませんが、でももう月乃さんとも会うこともないだろうし大丈夫だと思いますけどね」
『…いや、油断するなよ』
「え?」
『アイツにタゲられるとかなりしつこいって聞くし、裏の噂じゃアイツのやり方はかなりヤベェからよ、マジで気を付けろよ』
「そうなんですか……わかりました。忠告は気にかけておきます」
『おぅよ、気にしとけよ。…そいや夕飯はどっか外に行くのか?』
また軽いノリの雰囲気に戻って安堵した。
なぜか智さんの真面目な話は圧力を感じるんだよな…
「いえ、これ以上麻依を疲れさせたくないので、さっきホテル内のレストランを予約しました。千紗さんも一緒に三人分。イタリアンのお店が案外お手頃価格で良さそうだったんで」
『へー、いーじゃん。時間は?もう行くのか?』
「いえ、19時なのでもう少しゆっくりしてます」
『そっか、ゆっくりできるならいーな。まぁ慣れない東京で店を探すのも面倒だしな、ホテルん中ならラクでいーよな。…んじゃ明日は気をつけて帰ってこいよ!』
「ありがとうございます、では」
スマホのカバーを閉じて傍らに置くと、また麻依を抱き締めた。
「なんか…智さんがいい人すぎて怖いんだけど」
「だよね…そこまで首突っ込んでおきながらも、あっさり引き下がりすぎだよね…」
「ていうか、智さんて芸能界にやたら詳しいとは思ってたけど、そんな裏話にまで詳しいんだな……何でだろ…」
「んー…よく分かんない人だよねー…」
なんて言いながらも、俺達は何だかんだで智さんが好きで、今も電話で話してホッとしてる俺がいたりするんだよな。