太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

俺は、誰もが口を閉ざしてしまったこの重苦しい雰囲気に耐えられず、空気を変えるために一計を案じ、自分のスマホを取り出した。


「麻依は…俺を人生の暗闇から救い出してくれたんです。麻依と出逢えたから俺は強くなれて、人生が素晴らしいものになったんです。だから俺は一生、麻依しか愛せないんです」

「えぇ…諒クンの麻依さんへの想いは充分わかったわ。麻依さんの諒クンに対する強い愛情もね」

「はい、そして先ほどから言ってるとおり、俺は麻依を容姿だけで選んだんじゃありません。でも、容姿が優れているのも事実ですし、こう言ってはなんですが、俺はそこらのモデルやグラビアアイドルより可愛いと思ってます。てか世界一可愛いと思ってます」

「…諒…?」

「そこでお聞きしたいんですが……本業でモデルをされている方から見て、麻依のレベルはどのくらいなのかを教えて頂きたいんです。今はマタニティのワンピースで体型が隠れてますけど、実はすごいスタイルも良いんですよ」

「へ?諒…さっきから何言ってるの…?」

という麻依の言葉は聞かなかったことにして、俺はスマホの写真フォルダを開いた。

実は前から気にはなっていたんだよな、これだけ男も女も魅了する麻依はどれほどのレベルなのか、って。
相手は現役のモデルだし、これはプロの意見を聞く絶好のチャーンス!

無謀な事を…って言う奴もいるかもしれないが、俺は、麻依はプロのモデルを唸らせることができる程の逸材だと信じてるからね。


すると守岡さんが「エッ、麻依さんの写真!? 見たい!私にも見せて!」と月乃さんの隣に座った。

まぁ女性だしいっか、と2人に麻依の超絶可愛い画像の数々を披露していたのだが、一通り見終わると「ちょっと貸して!もう1回見るわ!」と月乃さんが俺の手からスマホを取り上げ、守岡さんと2人で勝手に見始めた。

俺のスマホ……


「ナルミさん!このコーラルの水着って【ink:white】の新作でしたよね!すっごい…専属のコより映えてるし、似合ってて可愛い!このボディならセクシー且つシックなのも見てみたいなぁ…」

「やっぱりドレスは着る人を選ぶわね…このタイプって着こなすのが難しいのに全く浮いた感が無いもの……いえ、きっと麻依さんに似合わないものなんてないわね」

「あぁ、衣裳担当の方も言ってましたよ。麻依に着てほしいドレスがいっぱいあると」

「その気持ちわかる!私も見たいもん!」

「でも一番はやっぱりこの女豹よね。グラビアクイーンて言われてるあの女ですら霞んで消えるわよ」
「ですよねですよね!カワイイのにドキッとしちゃう!あーんもぅ私がドキドキする~」


なんて全部の写真にコメントしてて、さっきまでの敵対が嘘の様に二人で盛り上がってる。
うーん、やっぱ女の人ってよくわかんない…

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