太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

「で、何で久保がここにいるんだよ」


「俺?俺は手嶋さんに呼ばれてだよ。俺、手嶋さんの仕事の手伝いもするからさ」

「へぇ…知り合いだったのか」

「あぁ。昨日、手嶋さんからヘルプの連絡が来て、詳しく聞いたら佐伯だったから驚いたのなんのって。そうそう、昨夜のバーに俺もいたんだぜ」

「そーゆうこと…なるほどね」
興信所勤務の久保なら、仕事柄手嶋さんと繋がりがあるのも何となく納得だな。

「それで私はヨシくんに、麻依さんに会えるよ、って言われて来てみたの。ウフフ」
と守岡さんも続いた。

「ヨシくん?」

「俺だよ。俺の名前、忘れたか?」

「久保 善久(よしひさ)だろ……え、久保がヨシくん?」

「そ。実玖の彼氏は俺」

「ウフフ、実はそうなの。手嶋さんを介した仕事でたまたま再会したのがきっかけなんだけどね。私達、実は地元が一緒で同中(おなちゅう)なんだ。大学の時はほとんど話さなかったけどね」

「へぇ、そうだったんだ。……てか久保が女と付き合えるとか意外だな」

「…佐伯にだけは言われたくねぇよ…」


「じゃあ…手嶋さんに助けてもらえたのは、福田くんから始まったんだね。翔琉くんとひよりんが繋いでくれて」

「そうだね。…智さん、本当にありがとうございました」

「福田くん、本当にありがとう。…手嶋さん、それに久保くんと実玖さんも本当にありがとうございました」

「麻依にそう畏まって言われるとなんか照れるじゃーん。んじゃさ、礼なら一日デー「トはダメですよ、智さん。変わりに俺が一日付き合いますから」

「だっダメだってば、それだと諒が福田くんに襲われちゃう!」

「あっそうか……でもまぁ無理にはしないみたいだし大丈夫だろ。いざとなったら抵抗するし。とにかく麻依にはデートなんて絶対させないから」

「なんだよぉ…二人してそこまで言わなくてもいーじゃん……おっ!じゃーさ、三人でデートしようぜ!」

「「却下」」

「なんでだよぉ……いーもん、諒と麻依なんてプンだ」

「ハハハ、サトシは無敵だと思ってたけど、マジで諒と麻依さんには敵わないんだな、おもしれぇ」

「ゴンまでなんだよ……いーもん、みんなプンだ。……ってかやっぱ安いのは蒸れるなー」

と智さんは金髪のウィッグを外し、バサバサと頭を振った。

「ほんとだ、いつもの智さんだ」

「諒も着るか?コレ」

「いや、俺はそーゆーの似合わないし」
って言ったんだけど。

「諒のホスト姿……見てみたいかも…」
「だよね……新宿のNo.1も真っ青なんじゃない?」

「ちょっと麻依?千紗さんも…」
「んっ、福田くん、それ貸して!家で諒に着てもらうから!」
「…麻依?」

「おぅよ、着たら写真撮って見せろよ?」

「もちろん!」
「まっ麻依!?」
「だって絶対カッコいいよ、諒なら」

「おい…それは俺はカッコよくないってことかよぉ…」

「あ、翔琉くんも夏のオトコな雰囲気からして似合いそうだよね!上原さんはこのイメージじゃないけど意外と似合うかも…うわぁ、ちょっと皆に着せてみたくなってきた!っていうか、ソレイユのメンバーをホスト風に変身させたら、すっごいホストクラブになりそうだよね!」

「それすごいって!絶対!じゃあさ、麻依とひよりんちゃんとカナさんがキャバ嬢ドレス着てさ、そこにソレイユのホストを侍らせるの!……うっわ何それ!美男美女の饗宴とか!想像したらヤバいヤバい!」

「えっ、それ楽しそうだね!」
「いつかうちのホール使ってやろうよ!」
「いいね!本格的!ふふっ、楽しみだなぁ」

「…ちょっと麻依…千紗さんまで何言って…」


ふ……まぁいっか。
まさかもうこんな風に穏やかに笑えるなんて、昨夜からは考えられなかったからな。

千紗さんと楽しそうに話す麻依を穏やかな気持ちで見ていたら、守岡さんが麻依に話しかけた。

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