太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

「私、本当にずっと麻依さんに憧れてたんです。ウフフ」

「あの…私のことは後輩の方からお聞きしたとお手紙にありましたけど…」

「ハイ!私の事務所の後輩に笈川 瀬里(おいかわ せり)ちゃんてコがいるんですけど、瀬里ちゃんは麻依さんの大学の二年後輩なんですよ」

「え!笈川瀬里さんて、今CMにもよく出てる有名なモデルさんですよね」

「ご存知なんですね!ありがとうございます!瀬里ちゃんに伝えておきます!…それでですね、瀬里ちゃんがまだウチの事務所に来たばかりの頃の話なんですけど、瀬里ちゃんて芯が強いのにすっごく優しくていいコだから『すごいよねー!』って褒めた時に教えてくれたのが、麻依さんの事だったんです」

「私の事…?」

「瀬里ちゃん、麻依さんを〝憧れの先輩〞だって話してくれたんです。ミスキャンの時の動画も見せてくれて、ウフフ」

「憧れ、ですか…?」

「はい。学生の頃、麻依さんとお話する機会があったそうで、その時に感動したって言ってました。『グランプリ三連覇された方なのに謙虚で優しくて可愛くて素敵で、それで私も麻依さんの様な素敵な女性になりたくて、外見だけでなくて人として素敵になれるように努力してるんです!』って話してくれて。…それ聞いて私、天狗になってた自分の事を思い出して恥ずかしくなったんですよね…」

「そうなんですか…」

「それで私も麻依さんに憧れたんです。…それからは仕事でも何でも調子に乗っちゃいそうな時に、自戒の念を込めて麻依さんのことを思い出すんです、驕らず謙虚に…って。だからミスキャンの写真や動画もスマホに入れてて、すぐ見られる様にしてるんですよ。ウフフ」

「そうな「そっその動画、今見れますか!?」

ミスキャン時の麻依を知ってるだと!?
それは俺も見たい!見せてくれ!
いや、絶対に見る!!


「佐伯……マジで別人だな……」

「アハハッ!本当に佐伯くんて麻依さん大好きだよね!その気持ちわかるけどね、アハハ。…スマホでよければ見る?」

「見る見る!ってかそれ下さい!」

「りっ諒!見なくていいから!ってか恥ずかしいってば!」

アワアワしながら麻依が阻止しようとするけど、千紗さんが「まぁまぁいーじゃん、輝きに満ちてる麻依を見せてあげなよー」と麻依を宥めてくれた。
千紗さん、グッジョブです!

守岡さんが「はいドーゾ。これは4年の時の」とスマホを差し出してくれた。

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