太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
ふ……幸せだな、俺。
ほんと、昔の俺に言ってやりたいよ。
お前は幸せになるぞ。
俺が唯一愛する女性に愛されて、そして楽しくて頼もしいたくさんの仲間達に囲まれて…
お前は幸せになれるんだぞ。
って。
それは全て麻依…
俺を照らしてくれた太陽のおかげだ。
だから。
これからは俺が太陽になるから。
麻依と俺達の子どもを導く、
強くて優しい光になるから。
だから…
「ずっと隣にいてよ、麻依」
後ろからそっと抱き締めて言う。
すると体を俺に向け、俺の目をまっすぐに見て麻依が答えてくれる。
「ふふっ、ずーっと隣にいるよ」
「おぅよ、俺らもずっと一緒だぜ!」
「そうっスね、まぁ諒さんの隣は麻依さんだけっスけど」
「俺は諒と麻依の間がいい!」
「それは無理っスよ。つか二人の間って、どんだけ大好きなんスか…」
「そぉですよぉ。あっ!翔琉さんの隣もダメですよぉ?」
「もー、みんなプンだ。いーもん、今日、諒と麻依ん家に行くんだもーんだ」
「智、それはやめとけ。妊婦の麻依さんにストレスを与えるな」
「だから俺が麻依の代わりに家事を手伝いに行くんだよぅ。可愛いフリフリのエプロンしてさー」
「いや…それ、かえってストレスになるだろ…」
「ムゥ……」
「〝ムゥ〞は諒の専売特許なんだから福田くんはやっちゃダメっ。福田くんは〝プンだ〞でしょ?」
「麻依まで……いーもん…プンだ」
「そうそう、それでこそ智さんっス」
「…ふ、あはははっ」
「諒?どうしたの?」
「いや……俺って幸せ者だなって思ってさ」
「ふふ、そうだね。諒はたくさんの人に愛されてるもん。…もちろん誰よりも強く大きく諒を愛してるのは私だけどね。ふふっ」
「麻依…」
今…
急にフッと心に自信の光が灯った。
それは消えることのない光。
俺はもう不安にならない。
そんな自信の光。
もちろん妬くことはあるけど、相手が智さんや幸成さんみたいな、俺が勝てねぇなって思う男でも、不安は出てこない気がしたんだ。
だって、俺が愛してやまない麻依に、こんなに俺は愛されてんだから。
それを自覚すると、場所を弁えるよりも麻依を愛しく想う気持ちの方が強くて…俺の腕の中にいる麻依を、もう一度正面から抱き締めた。
「ありがとう、麻依。…これからもずっと…一生溺愛するから、俺ともっと幸せになる覚悟、しといてよ?」
「私だって一生溺愛するんだから、諒の方こそ覚悟してね?ふふっ」
「麻依……その言葉がもう幸せ過ぎ……やべ、覚悟足りてないかも。ははっ」
麻依の言葉に感極まって涙目な俺と、幸せそうに微笑む麻依を、みんなは優しく温かく見守ってくれていた。
俺は、ここ〈ソレイユ〉…太陽という名の元で、愛する麻依と、愉快な仲間達と共に、これからも歩んでいく。
きっとその先には、まだ見ぬ仲間や幸せとの出逢いが、たくさん待っているからね――
***** end *****
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
番外編ながら完結編ちっくに仕立ててみました。
まだまだ諒&麻依で書いてみたいネタはたくさんあるんですが、ひとまずここで一区切りにしたいと思います。
(一区切りなので、また描くかもしれませんが…テヘ)
他のお話のどこかで、諒&麻依、そして他の面々が登場することもありますので、その時にこのお話をちらっと思い出していただけたら嬉しいです🎵
紫由布―shiyu―💮
2023.7.25