太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
俺は、緩んだ気を引き締め直し、自分のやるべき仕事を全うした。
慌ただしくはあったが社葬は滞りなく終わり、ご家族をはじめ、富山さんや会社関係者の方々からはこちらが恐縮するくらい感謝の意を頂いた。
ライト建設の社長と富山さんが3日後に改めて挨拶に来ますと言い、会社へ戻られた。
ライト建設の社葬関係者がいなくなったホールに、ソレイユのスタッフ全員を集め、支社長も含めて最後のスタッフミーティングをする。
支社長からは皆へ労いの言葉をもらい、俺はこれからのスケジュールを伝える。
「明日と明後日は施行を入れていないし、会場の片付けは急ぐものを除いて明日にしましょう」
と言うと、すぐさま高見くんの
「じゃあ今日打ち上げやりません?お疲れさま会!出られる人だけでも!」
というお誘いに皆が乗り気になり、そこへ羽倉さんが
「それなら私、お店の予約するよ?」
と幹事をかって出てくれた。
そんなわけで、急遽決まった打ち上げ。
羽倉さんが予約してくれた、ソレイユから程近い雰囲気の良い洋風居酒屋にスタッフが続々と集まる。
今回の社葬の成功は本当にホールスタッフ皆が協力して頑張ってくれた結果なので、今日は俺が皆さんにご馳走するつもりでいた。
しかし、支社長も同じ様に思っていてくれたらしく、最初は支社長が全部出すと言ってくれたが、俺もそこは折れたくなかったので会計は折半することにした。
ソレイユを最後に出た俺がお店に着くと、皆が「いらっしゃーい」「待ってましたよ~」と出迎えてくれた。
そんな温かい言葉についフッと笑みがこぼれる。
「支配人、こっちっスー!」
腕を大きく振る高見くんに呼ばれて行くと、高見くんと羽倉さんの間に座らされた。
「そいじゃー、みんな好きな飲み物、頼んじゃいましょ!」
高見くんの声に、羽倉さんが間髪入れずに言う。
「じゃあ『とりあえずビール』の人は手を上げてー、他のがいい人はそれぞれ頼もっか、種類がたくさんあるからねー」
店員さんにわかりやすい様に、皆を取りまとめてくれている。
俺は疲れが出てきたのか緊張の糸が切れたのか、そんな羽倉さんをただぼんやり見ていただけだった。
しばしボケッとした時間を過ごすと、羽倉さんが声をかけてくれた。
「支配人、お疲れの様ですね、大丈夫ですか?」
「あ…全部任せっきりですみません」
「気にしないでください、高見くんも私も好きでやってますから」
きれいな笑顔で答えてくれる。
「じゃあ、お酒は控えます?」
「今日は車で帰るのでお茶かノンアルにします」
「わかりました!このお店ってお昼はカフェだから、ソフトドリンクも種類がたくさんあるんですよ、ホラ」
目の前に出されたメニュー表を見ると…確かに多い。
コーヒーやお茶はそれぞれ10種類はあるし、フルーツを使ったジュースもノンアルカクテルも目移りするほどの種類があって、選ぶのが楽しそうだ。
俺はアイスジャスミンティーを、羽倉さんはココナッツミルクを使ったノンアルカクテルを頼んだ。
皆に飲み物が揃うと、高見くんが支社長と俺に挨拶を振ってきた。
支社長に続いて俺がスタッフの皆に感謝の言葉を述べると『そのまま乾杯の発声!』と高見くんの声が飛んで来たので、僭越ながら乾杯の音頭を取らせてもらった。
その後、俺は皆のテーブルを回り、それぞれ改めて協力頂いたことのお礼と感謝の言葉を言うと、スタッフからも俺に対して労いの言葉をたくさんかけてもらった。それもすごく嬉しかった。
皆にお礼と感謝の気持ちを伝えたい――
仕事でこんな風に思うのは始めてで…しかも、それがこんなに気持ちのいいものだとは知らなかった。
慌ただしくはあったが社葬は滞りなく終わり、ご家族をはじめ、富山さんや会社関係者の方々からはこちらが恐縮するくらい感謝の意を頂いた。
ライト建設の社長と富山さんが3日後に改めて挨拶に来ますと言い、会社へ戻られた。
ライト建設の社葬関係者がいなくなったホールに、ソレイユのスタッフ全員を集め、支社長も含めて最後のスタッフミーティングをする。
支社長からは皆へ労いの言葉をもらい、俺はこれからのスケジュールを伝える。
「明日と明後日は施行を入れていないし、会場の片付けは急ぐものを除いて明日にしましょう」
と言うと、すぐさま高見くんの
「じゃあ今日打ち上げやりません?お疲れさま会!出られる人だけでも!」
というお誘いに皆が乗り気になり、そこへ羽倉さんが
「それなら私、お店の予約するよ?」
と幹事をかって出てくれた。
そんなわけで、急遽決まった打ち上げ。
羽倉さんが予約してくれた、ソレイユから程近い雰囲気の良い洋風居酒屋にスタッフが続々と集まる。
今回の社葬の成功は本当にホールスタッフ皆が協力して頑張ってくれた結果なので、今日は俺が皆さんにご馳走するつもりでいた。
しかし、支社長も同じ様に思っていてくれたらしく、最初は支社長が全部出すと言ってくれたが、俺もそこは折れたくなかったので会計は折半することにした。
ソレイユを最後に出た俺がお店に着くと、皆が「いらっしゃーい」「待ってましたよ~」と出迎えてくれた。
そんな温かい言葉についフッと笑みがこぼれる。
「支配人、こっちっスー!」
腕を大きく振る高見くんに呼ばれて行くと、高見くんと羽倉さんの間に座らされた。
「そいじゃー、みんな好きな飲み物、頼んじゃいましょ!」
高見くんの声に、羽倉さんが間髪入れずに言う。
「じゃあ『とりあえずビール』の人は手を上げてー、他のがいい人はそれぞれ頼もっか、種類がたくさんあるからねー」
店員さんにわかりやすい様に、皆を取りまとめてくれている。
俺は疲れが出てきたのか緊張の糸が切れたのか、そんな羽倉さんをただぼんやり見ていただけだった。
しばしボケッとした時間を過ごすと、羽倉さんが声をかけてくれた。
「支配人、お疲れの様ですね、大丈夫ですか?」
「あ…全部任せっきりですみません」
「気にしないでください、高見くんも私も好きでやってますから」
きれいな笑顔で答えてくれる。
「じゃあ、お酒は控えます?」
「今日は車で帰るのでお茶かノンアルにします」
「わかりました!このお店ってお昼はカフェだから、ソフトドリンクも種類がたくさんあるんですよ、ホラ」
目の前に出されたメニュー表を見ると…確かに多い。
コーヒーやお茶はそれぞれ10種類はあるし、フルーツを使ったジュースもノンアルカクテルも目移りするほどの種類があって、選ぶのが楽しそうだ。
俺はアイスジャスミンティーを、羽倉さんはココナッツミルクを使ったノンアルカクテルを頼んだ。
皆に飲み物が揃うと、高見くんが支社長と俺に挨拶を振ってきた。
支社長に続いて俺がスタッフの皆に感謝の言葉を述べると『そのまま乾杯の発声!』と高見くんの声が飛んで来たので、僭越ながら乾杯の音頭を取らせてもらった。
その後、俺は皆のテーブルを回り、それぞれ改めて協力頂いたことのお礼と感謝の言葉を言うと、スタッフからも俺に対して労いの言葉をたくさんかけてもらった。それもすごく嬉しかった。
皆にお礼と感謝の気持ちを伝えたい――
仕事でこんな風に思うのは始めてで…しかも、それがこんなに気持ちのいいものだとは知らなかった。