太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
急接近/side諒
「車、そこにあるので」
店の近くのコインパーキングに停めた、黒のスポーツセダン。
「どうぞ」
助手席のドアを開けて、羽倉さんを促す。
「すみません、失礼します」
羽倉さんが助手席に遠慮がちに座る。
俺が運転席へ座ると「でも…」と話しかけられた。
「…いいんですか?助手席」
「ん?何がです?」
「いや、ほら、あの…助手席は彼女だけって人もいるみたいだし…」
「あぁ、そんな人はいませんから気にしないでください。ていうか、この車に女性を乗せたのは羽倉さんが初めてですし」
彼女を見て言う。
「えっ!それは何だか大変なことをしちゃった感じですけど」
なぜかすごい慌てよう。
「何ですかそれ」
思わずハハハッて笑ってしまった。
久々に気持ちよく笑ったな。
もう…羽倉さんが可愛すぎて困る。
このままもうちょっとこうしていたいけど…そういうワケにもいかず。
「じゃあ車を出しますね。ナビだけお願いします」
車中で今日の社葬の話から拓也さんの話になり、俺は意を決して聞いた。
「た拓也さんは羽倉さんの彼氏ですか?」
…噛んだ。
うわ、何この緊張…
「拓也が彼氏?…あははッ違いますよ~、同級生なんです」
笑いながら話してくれた内容に、俺はひとまず安心した。
白井拓也さんは羽倉さんの小中学校の同級生で、生花店の3代目。元は『白井生花店』という店名だったが、病気が見つかった父親から社長を継いだ時に今のお洒落な店名に変えたそうだ。
ちなみに拓也さんにはアヤさんという奥様がいて、このアヤさんも同級生だという。
田舎の学校で人数も少なく、みんなが名前で呼び合うのが普通だったらしく、今でも同級生の間ではその時の呼び名だという。
「そうなんですね。随分親しい感じだったので、てっきり彼氏なのかと」
「もーほんとに全然そういうのじゃないんですよ。私もそんな風に思ったことないし」
…ホッ…
あっけらかんとした話し方に、本当に彼氏ではなさそうだと安心した。
「男の俺から見てもカッコいい方でしたけどね」
「うーん…そうかなぁ…?確かに高校ではモテてたって話だけど。でも、支配人の方がカッコいいと思いますよ」
ふふっ、と優しい笑みで言う。
その顔でその言葉は…反則…
…俺は緩む顔を見られないようにするのが精一杯だった。
「あっ、すいません。ちょっと買い物したいので、そこのドラッグストアに寄ってもいいですか?」
羽倉さんの声に、我に返る。
「あぁ…そこですね、了解です」
見えたお店の駐車場に入り、車を停めた。
「すみません、すぐに戻るので」
「気にしないでください」
…バタン
ドアが閉まると車内がシン…と静まりかえる。
…今日はマジで疲労感がひどいな…
帰ったらシャワーもなしですぐに寝そう…
何気なく運転席の窓にもたれ掛かる。
あー…冷たくて気持ちいい…
ふと、何かが腕を触る感覚で目が覚めた。
見ると、羽倉さんが俺の腕をパシパシはたいて「支配人?大丈夫ですか?」と…
いきなり間近で見た羽倉さんの心配そうな表情に、嬉しくて…びっくりした。
「ああぁっ、すみません…えっと…寝てた…?みたいですね……すみません」
俺としたことが…
いい子で待ってられないとか…
情けない…
「いえ、それはいいんですけど、お疲れっていうか、体調が悪いみたいですけど…」
「すみません、大丈夫です。じゃあ羽倉さんを家まで送りますね」
ぼーっとする頭を覚醒させ、車を発進させる。
俺の体が何であろうと、羽倉さんを無事に送り届けなければ。
店の近くのコインパーキングに停めた、黒のスポーツセダン。
「どうぞ」
助手席のドアを開けて、羽倉さんを促す。
「すみません、失礼します」
羽倉さんが助手席に遠慮がちに座る。
俺が運転席へ座ると「でも…」と話しかけられた。
「…いいんですか?助手席」
「ん?何がです?」
「いや、ほら、あの…助手席は彼女だけって人もいるみたいだし…」
「あぁ、そんな人はいませんから気にしないでください。ていうか、この車に女性を乗せたのは羽倉さんが初めてですし」
彼女を見て言う。
「えっ!それは何だか大変なことをしちゃった感じですけど」
なぜかすごい慌てよう。
「何ですかそれ」
思わずハハハッて笑ってしまった。
久々に気持ちよく笑ったな。
もう…羽倉さんが可愛すぎて困る。
このままもうちょっとこうしていたいけど…そういうワケにもいかず。
「じゃあ車を出しますね。ナビだけお願いします」
車中で今日の社葬の話から拓也さんの話になり、俺は意を決して聞いた。
「た拓也さんは羽倉さんの彼氏ですか?」
…噛んだ。
うわ、何この緊張…
「拓也が彼氏?…あははッ違いますよ~、同級生なんです」
笑いながら話してくれた内容に、俺はひとまず安心した。
白井拓也さんは羽倉さんの小中学校の同級生で、生花店の3代目。元は『白井生花店』という店名だったが、病気が見つかった父親から社長を継いだ時に今のお洒落な店名に変えたそうだ。
ちなみに拓也さんにはアヤさんという奥様がいて、このアヤさんも同級生だという。
田舎の学校で人数も少なく、みんなが名前で呼び合うのが普通だったらしく、今でも同級生の間ではその時の呼び名だという。
「そうなんですね。随分親しい感じだったので、てっきり彼氏なのかと」
「もーほんとに全然そういうのじゃないんですよ。私もそんな風に思ったことないし」
…ホッ…
あっけらかんとした話し方に、本当に彼氏ではなさそうだと安心した。
「男の俺から見てもカッコいい方でしたけどね」
「うーん…そうかなぁ…?確かに高校ではモテてたって話だけど。でも、支配人の方がカッコいいと思いますよ」
ふふっ、と優しい笑みで言う。
その顔でその言葉は…反則…
…俺は緩む顔を見られないようにするのが精一杯だった。
「あっ、すいません。ちょっと買い物したいので、そこのドラッグストアに寄ってもいいですか?」
羽倉さんの声に、我に返る。
「あぁ…そこですね、了解です」
見えたお店の駐車場に入り、車を停めた。
「すみません、すぐに戻るので」
「気にしないでください」
…バタン
ドアが閉まると車内がシン…と静まりかえる。
…今日はマジで疲労感がひどいな…
帰ったらシャワーもなしですぐに寝そう…
何気なく運転席の窓にもたれ掛かる。
あー…冷たくて気持ちいい…
ふと、何かが腕を触る感覚で目が覚めた。
見ると、羽倉さんが俺の腕をパシパシはたいて「支配人?大丈夫ですか?」と…
いきなり間近で見た羽倉さんの心配そうな表情に、嬉しくて…びっくりした。
「ああぁっ、すみません…えっと…寝てた…?みたいですね……すみません」
俺としたことが…
いい子で待ってられないとか…
情けない…
「いえ、それはいいんですけど、お疲れっていうか、体調が悪いみたいですけど…」
「すみません、大丈夫です。じゃあ羽倉さんを家まで送りますね」
ぼーっとする頭を覚醒させ、車を発進させる。
俺の体が何であろうと、羽倉さんを無事に送り届けなければ。