太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
ドキドキ海水浴!/side諒
海の家の駐車場に入り、先に着いてた高見くんの車の隣に停める。
「あー、潮の香りって久しぶり!」
車を降りた麻依さんが体を伸ばして気持ち良さそうに言う。
「私もですッ!いいお天気でよかったですね!」
俺も海は久しぶりで何気なく辺りを見ていたら、高見くんが優しげな眼差しで松島さんを見ている事に気付いた。
!
あぁ、そうだったのか。
それであの時、松島さん狙いの男にイラついてたのか。
俺と一緒だ。
何だか今まで以上に親近感が湧いた。
車から必要な荷物を取り出し、皆で海の家に行こうとした時…
「はーい、それでは歳の順に並んでー!」
という麻依さんの声が。
何事かわからないまま、とりあえず横に、俺、高見くん、松島さんが並ぶ。
その俺の横に来た麻依さんが「ふふふっ、ここは一番年上の私が!チャッチャラー!」と何かの秘密道具を出す様に鞄から出した財布を掲げた。
あぁ、そういうことね。
でもそうはさせないよ。
俺はすぐに「はーい、それでは背の高い順に並んでー」と言うと、財布を掲げたまま「?」顔の麻依さんをずんずんと一番端に追いやった。
その並び順は、俺、高見くん、松島さん、麻依さん。
車を降りる時にペタンコのビーサンに履き替えた麻依さんと松島さん。
並ぶ2人の身長差は5㎝位か。
「あれっ?ひよりんと私って、こんなに違ったっけ?」
俺も麻依さんと松島さんの身長は同じくらいだと思っていたが、それは普段のパンプスのヒールの高さの違いのせいだったらしい。
麻依さん、高めのヒールが似合っててカッコいいもんね。
麻依さんが軽くショックを受けている内に(麻依さんゴメン)「だからここは一番背の高い僕が出しますからね」と、さっさと決めてしまった。
「えぇー!?私が出そうと思ってたのにぃ」
と、ブー垂れる麻依さん。
…可愛い。
「ううぅ…ここでみんなに奢って女王様と呼ばれたかった…」
「麻依さん…何で女王様なんスか…せめてお姫様とかならまだしも…」
あぁ…高見くんに遠い目をされている…
「麻依先輩はいつでも女王様でありお姫様ですッ」
松島さん、激しく同意です。気が合いますね。
でも麻依さんは渡しませんよ。
俺はちょっとしょげてる麻依さんの頭にお茶のペットボトルをポンと置くと、一つお願いをした。
「じゃあ女王様は、自分の荷物を持って、そこの王子と姫をロビーの…あのテーブルに連れていって、3人で待っててください。女王様の下僕の俺が受付してきますから」
女王様の下僕か…それもまたいい響きじゃないか?…などと考えながら、俺は自分の荷物を持って受付に向かった。
(結局、高見くんと割り勘になったけど)
「ここ、海の家っていうよりホテルみたいだね、すごくキレイ!」
「私もこんなに高級でステキな海の家は初めてですぅ」
「比較的新しい店なんスよね。目の前はプライベートビーチっぽくなってて、ここ専門の監視員もいるし他より安全なんスよ。それに雑多なトコより女の人は清潔な方がいいでしょ」
「でもよく知ってたね、誰かと来たの?」
「俺は初めてっス。仲間から話は聞いてたんで、一度は来てみたいと思ってて」
「仲間?」
「あー俺、昔サーフィンやってたんスけど、その時の仲間とは今も繋がってて」
「へー、海の男なんだね。サーフィン、似合いそう」
「ですね!ふふっ」
うん、確かに〝夏が似合う男〞っぽいもんな、高見くん。
「じゃあ行きますか」
高見くんの先導で部屋へ移動する。
「個室なんだ!すごい!」
「他のとこみたいなフリーなスペースもあるんスけど、個室の方がゆっくりできるし、シャワーもついてるし、何かと便利っスから」
「確かに!でも、さっきロビーで価格表見たけど、ここの利用料、お高いよね…」
「そこは下僕と王子の役目ですから気にしないで」
と言う俺の言葉と表情に、ふ、と笑顔になった麻依さん。
財布を出させてもらえない、ってわかってくれたらしい。その辺りにスマートに気付けるのも大人だよな。
「では今日は甘えさせてもらいますね。ありがとうございます」
「支配人、高見さん、ありがとうございます」
麻依さんがそう言うなら、と、松島さんも理解してくれたみたいだ。
丁寧に一礼する麻依さんと松島さんに、俺と高見くんは笑顔で「はい」と返事をした。
それから、みんなで水着や砂浜に持っていく物を準備している時、麻依さんが「あっ、そうだ!」と声を上げた。
「ねぇせっかくだし、今日はお互い名前で呼び合わない?あと無理のない範囲でタメ口で」
「それ、いいっスね」
「じゃあ、支配人は…諒くん?諒さん?」
「どちらでも呼びやすい方で」
つか、名前、覚えててくれたんだ…
いつも『支配人』呼びだから、名前を忘れられてんじゃないかと思ってた。
やべぇ、名前呼ばれただけでこんなに嬉しいとか…
マジで顔が緩んでヤバいかも。
「高見くんは翔琉くんでいいかな?」
「いっスよ!」
「ひよりんはひよりんだよね?」
「ハイ!」
「いや…俺らは陽依ちゃんでいっスよ…」
「えー、なんでよー?…じゃあ私はいつも通りひよりんで」
「はいっ」
「じゃあ私のことは…」
「あっ、マイマイは?マイマイって呼んでもいいですかぁ?」
「えっ何それカワイイ!いいの?」
「麻依先輩のこと、いつかマイマイって呼んでみたかったんですぅ!…いいですかぁ?」
「もちろんよ~!じゃあ私はマイマイで!」
「いや…俺らは麻依さんと呼ばせてもら「えー、なんでよー、マイマイでいいよー」
「いや…普通に麻依さんと呼ばせてください…ねぇ?支配人」
「そうだね…」
「んじゃ、着替えて海に出ましょっか!女性はあっちの広い更衣スペース使ってください、俺らはこっちの使うから」
「はーい、では後ほど~」
「あー、潮の香りって久しぶり!」
車を降りた麻依さんが体を伸ばして気持ち良さそうに言う。
「私もですッ!いいお天気でよかったですね!」
俺も海は久しぶりで何気なく辺りを見ていたら、高見くんが優しげな眼差しで松島さんを見ている事に気付いた。
!
あぁ、そうだったのか。
それであの時、松島さん狙いの男にイラついてたのか。
俺と一緒だ。
何だか今まで以上に親近感が湧いた。
車から必要な荷物を取り出し、皆で海の家に行こうとした時…
「はーい、それでは歳の順に並んでー!」
という麻依さんの声が。
何事かわからないまま、とりあえず横に、俺、高見くん、松島さんが並ぶ。
その俺の横に来た麻依さんが「ふふふっ、ここは一番年上の私が!チャッチャラー!」と何かの秘密道具を出す様に鞄から出した財布を掲げた。
あぁ、そういうことね。
でもそうはさせないよ。
俺はすぐに「はーい、それでは背の高い順に並んでー」と言うと、財布を掲げたまま「?」顔の麻依さんをずんずんと一番端に追いやった。
その並び順は、俺、高見くん、松島さん、麻依さん。
車を降りる時にペタンコのビーサンに履き替えた麻依さんと松島さん。
並ぶ2人の身長差は5㎝位か。
「あれっ?ひよりんと私って、こんなに違ったっけ?」
俺も麻依さんと松島さんの身長は同じくらいだと思っていたが、それは普段のパンプスのヒールの高さの違いのせいだったらしい。
麻依さん、高めのヒールが似合っててカッコいいもんね。
麻依さんが軽くショックを受けている内に(麻依さんゴメン)「だからここは一番背の高い僕が出しますからね」と、さっさと決めてしまった。
「えぇー!?私が出そうと思ってたのにぃ」
と、ブー垂れる麻依さん。
…可愛い。
「ううぅ…ここでみんなに奢って女王様と呼ばれたかった…」
「麻依さん…何で女王様なんスか…せめてお姫様とかならまだしも…」
あぁ…高見くんに遠い目をされている…
「麻依先輩はいつでも女王様でありお姫様ですッ」
松島さん、激しく同意です。気が合いますね。
でも麻依さんは渡しませんよ。
俺はちょっとしょげてる麻依さんの頭にお茶のペットボトルをポンと置くと、一つお願いをした。
「じゃあ女王様は、自分の荷物を持って、そこの王子と姫をロビーの…あのテーブルに連れていって、3人で待っててください。女王様の下僕の俺が受付してきますから」
女王様の下僕か…それもまたいい響きじゃないか?…などと考えながら、俺は自分の荷物を持って受付に向かった。
(結局、高見くんと割り勘になったけど)
「ここ、海の家っていうよりホテルみたいだね、すごくキレイ!」
「私もこんなに高級でステキな海の家は初めてですぅ」
「比較的新しい店なんスよね。目の前はプライベートビーチっぽくなってて、ここ専門の監視員もいるし他より安全なんスよ。それに雑多なトコより女の人は清潔な方がいいでしょ」
「でもよく知ってたね、誰かと来たの?」
「俺は初めてっス。仲間から話は聞いてたんで、一度は来てみたいと思ってて」
「仲間?」
「あー俺、昔サーフィンやってたんスけど、その時の仲間とは今も繋がってて」
「へー、海の男なんだね。サーフィン、似合いそう」
「ですね!ふふっ」
うん、確かに〝夏が似合う男〞っぽいもんな、高見くん。
「じゃあ行きますか」
高見くんの先導で部屋へ移動する。
「個室なんだ!すごい!」
「他のとこみたいなフリーなスペースもあるんスけど、個室の方がゆっくりできるし、シャワーもついてるし、何かと便利っスから」
「確かに!でも、さっきロビーで価格表見たけど、ここの利用料、お高いよね…」
「そこは下僕と王子の役目ですから気にしないで」
と言う俺の言葉と表情に、ふ、と笑顔になった麻依さん。
財布を出させてもらえない、ってわかってくれたらしい。その辺りにスマートに気付けるのも大人だよな。
「では今日は甘えさせてもらいますね。ありがとうございます」
「支配人、高見さん、ありがとうございます」
麻依さんがそう言うなら、と、松島さんも理解してくれたみたいだ。
丁寧に一礼する麻依さんと松島さんに、俺と高見くんは笑顔で「はい」と返事をした。
それから、みんなで水着や砂浜に持っていく物を準備している時、麻依さんが「あっ、そうだ!」と声を上げた。
「ねぇせっかくだし、今日はお互い名前で呼び合わない?あと無理のない範囲でタメ口で」
「それ、いいっスね」
「じゃあ、支配人は…諒くん?諒さん?」
「どちらでも呼びやすい方で」
つか、名前、覚えててくれたんだ…
いつも『支配人』呼びだから、名前を忘れられてんじゃないかと思ってた。
やべぇ、名前呼ばれただけでこんなに嬉しいとか…
マジで顔が緩んでヤバいかも。
「高見くんは翔琉くんでいいかな?」
「いっスよ!」
「ひよりんはひよりんだよね?」
「ハイ!」
「いや…俺らは陽依ちゃんでいっスよ…」
「えー、なんでよー?…じゃあ私はいつも通りひよりんで」
「はいっ」
「じゃあ私のことは…」
「あっ、マイマイは?マイマイって呼んでもいいですかぁ?」
「えっ何それカワイイ!いいの?」
「麻依先輩のこと、いつかマイマイって呼んでみたかったんですぅ!…いいですかぁ?」
「もちろんよ~!じゃあ私はマイマイで!」
「いや…俺らは麻依さんと呼ばせてもら「えー、なんでよー、マイマイでいいよー」
「いや…普通に麻依さんと呼ばせてください…ねぇ?支配人」
「そうだね…」
「んじゃ、着替えて海に出ましょっか!女性はあっちの広い更衣スペース使ってください、俺らはこっちの使うから」
「はーい、では後ほど~」