太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
「麻依」
私を呼ぶ声がして振り返ると、諒くんの少し後ろに女性が2人。
…あの人達かな…美人さんだし。
ちなみに『麻依』呼びは、ナンパされた時の合図。
すーぅ……はーぁ……
気付かれないように深呼吸。
とりあえず、私が思う〝カワイイ彼女〞を頑張ってみる!
そんな意気込みを表には出さず、つつつ…と近づくと、諒くんの小指と薬指の2本をキュと握りながら、上目遣いで諒くんを見上げた。
「りょおたん?…そのキレイなお姉さん達と行っちゃうの?…マイマイ、淋しい…」
後ろからは翔琉くんの「ブッフォ」というお茶を吹き出す声が。
そして諒くんはというと。
…は?
声は聞こえないけど、私を見る、鳩が豆鉄砲を食ったような諒くんの口がそう言ってる。
一瞬固まった諒くんだったが、我に返ったのか、フッと男の色気を含んだ笑みを浮かべた。そして…
「バカ、麻依を置いて行くわけねぇだろ」
そう言うと、私を抱き寄せた。
それを見ていた女性2人は「やーん、カッコいいんですけどー」「ドキドキなんですけどー」と盛り上がり、かたや後ろでは翔琉くんが「ゲホゲホッ」と咳き込んでいる。
…なるほど。
諒くんはチョイSっ気で来たのね。
私のアドリブにこの切り返し…
おそろしい子!
…ふふ、なんか楽しくなってきた。
よーし、この調子で頑張るぞ!
すると声を発しない私を心配したのか、諒くんに顔を覗き込まれた。
「麻依?どうした?」
「ねぇ、りょおたん、いつもみたいにマイマイって呼んで?」
繋いだ指を少し揺らしながら上目遣いで見つめ、首を45度かしげてみる。
後ろからは翔琉くんの「ちょ待っ…ヒ…ヒィ…何それ…」って途切れた声。
「俺が言うのはベッドの上だけだっていっただろ」
諒くんが〝顎クイ〞みたいにして親指を私の口唇に当てて言う。
後ろからは翔琉くんの「…くっ苦し…ヒィ…も…死ぬ…ダメ…」って震えた声。
「じゃあ…愛してるって言って?」
今度は正面切っての上目遣い。
後ろから声が聞こえなくなった。
…翔琉くん、大丈夫かしら?
って、あれ?
…えっと…何してるんだっけ?
彼女役だったような気がするけど…
ええと…何か方向がズレてきてる…?
なんて思っていると、諒くんがまた妖艶な笑みを浮かべた。
その表情にドクリと胸がなる。
「…しょうがねぇな…甘えん坊なマイマイも可愛すぎてたまんねぇよ。愛してる…続きはベッドでたくさん言ってやるから」
耳にチュッとキスをされ、その際にコソッと「俺の負け」と囁かれた。
よし!勝った!
…てゆーか!みっ耳にキスされたよ!?
まさかこんな展開になるなんて!
…ハッ!まずい!
積極的カワイイ小悪魔キャラだったのに、赤い顔で動揺してたらお芝居だってバレちゃう!
と気になり、そっと女性2人を見ると、目がキラッキラしてる…
「マイマイ、チョーかわいんですけど!」
「2人にキュン萌えなんですけど!」などと更なる盛り上がりを見せていた。
ほっ。
お芝居だとは気付かれてないみたいね。
…と安心してたら、いきなりこっち向いた。
なっ何ですか!?
「マイマイ、あっ違った、羽倉さん」
いえ…
そのままマイマイで通してください…
現実に戻さないでください…
こっぱずかしいです…
「佐伯さんに声かけちゃってごめんなさいね。あのー、佐伯さんはいらないから、2人のイチャラブ見ててもいい?」
…いらないとか言われちゃう諒くんは気の毒だけど、とりあえずはナンパ阻止成功か。よし。
ん?…でもそれって、このノリ過ぎた茶番を続けるってこと?
「え~、マイマイ恥ずかしぃ」
キャラを崩さず両手で頬を押さえながら言うと、諒くんが私の顔を覗き込み甘く微笑む。
「いーじゃん。いつも通りにしてればいいだけだろ?」
「やった!じゃあ適当にラブラブっぷりを見させてもらうね!」
「じゃあまた~」
また、っていつですか…
…あぁ、いつ見られるかわからないんですね…
でもその後、このお2人(ナナさんとエマさん)には何かと助けてもらったのだった。
私がナンパされた時には、ススッとどこからともなくナナエマコンビが現れて、ナンパ男子に諒くんの素晴らしさを滔々と語り、そこへ本人を呼び、ナナエマ&諒くんがけちょんけちょんにナンパ男を撃退したこともあった。
…あ、この時は私の茶番なく終わってたな。
そして諒くんがナンパされた時には、やはりススッとどこからともなくナナエマコンビが現れて、ナンパ女子に「このお兄さんにはマイマイってゆう、チョー美人で可愛いお似合いの彼女がいるのよ」とあたかも身内を自慢するかのように言い、そこで私はまたあの茶番を繰り返す。
「りょおたん、またキレイなお姉さんにナンパされてるぅ」
上目遣いで諒くんを見つめながら、人差し指で胸元をつんつんとつつく。
「だからマイマイを置いてくワケねぇじゃん」
諒くんに腰を抱き寄せられた上、また耳にキスされた!
「なぁ、もう帰らねぇ?」
「なんで?」
上目遣いで首を45度かしげる。もう定番。
「こんな可愛いマイマイ見てたら抱きたくてしょうがねぇし。…俺、夜まで我慢できねぇよ…」
耳元で、でも相手にも聞こえるように言うとか…策士ですな…
なんて感心しながらも、そんな言葉を言われ慣れてない私は素で赤面しながら、諒くんの胸をポコポコ叩く。
「もおっ!りょおたん、こんなとこで言わないでっ」
するとナンパしてきたお姉さん達が赤い顔をしながら「えっと…なんかお邪魔みたいなので失礼しますッ」って逃げていった。
…逃げ際「すごいいいもの見たね、お酒が進むね」「これでご飯、お茶碗2杯いけるね」って言ってましたね、お姉さん。
この茶番が酒の肴やご飯のお供になるのであれば幸いです。
ナナエマコンビにはこの茶番が通常運転になってるので「はぁ…ラブラブ安泰ですな」「ですな」なんて2人恍惚の表情で頷き合っていたけど、興奮が収まると「じゃあまたねっ」と私達から離れていった。
「またね」…てことは…
まだ続くということですね…
私を呼ぶ声がして振り返ると、諒くんの少し後ろに女性が2人。
…あの人達かな…美人さんだし。
ちなみに『麻依』呼びは、ナンパされた時の合図。
すーぅ……はーぁ……
気付かれないように深呼吸。
とりあえず、私が思う〝カワイイ彼女〞を頑張ってみる!
そんな意気込みを表には出さず、つつつ…と近づくと、諒くんの小指と薬指の2本をキュと握りながら、上目遣いで諒くんを見上げた。
「りょおたん?…そのキレイなお姉さん達と行っちゃうの?…マイマイ、淋しい…」
後ろからは翔琉くんの「ブッフォ」というお茶を吹き出す声が。
そして諒くんはというと。
…は?
声は聞こえないけど、私を見る、鳩が豆鉄砲を食ったような諒くんの口がそう言ってる。
一瞬固まった諒くんだったが、我に返ったのか、フッと男の色気を含んだ笑みを浮かべた。そして…
「バカ、麻依を置いて行くわけねぇだろ」
そう言うと、私を抱き寄せた。
それを見ていた女性2人は「やーん、カッコいいんですけどー」「ドキドキなんですけどー」と盛り上がり、かたや後ろでは翔琉くんが「ゲホゲホッ」と咳き込んでいる。
…なるほど。
諒くんはチョイSっ気で来たのね。
私のアドリブにこの切り返し…
おそろしい子!
…ふふ、なんか楽しくなってきた。
よーし、この調子で頑張るぞ!
すると声を発しない私を心配したのか、諒くんに顔を覗き込まれた。
「麻依?どうした?」
「ねぇ、りょおたん、いつもみたいにマイマイって呼んで?」
繋いだ指を少し揺らしながら上目遣いで見つめ、首を45度かしげてみる。
後ろからは翔琉くんの「ちょ待っ…ヒ…ヒィ…何それ…」って途切れた声。
「俺が言うのはベッドの上だけだっていっただろ」
諒くんが〝顎クイ〞みたいにして親指を私の口唇に当てて言う。
後ろからは翔琉くんの「…くっ苦し…ヒィ…も…死ぬ…ダメ…」って震えた声。
「じゃあ…愛してるって言って?」
今度は正面切っての上目遣い。
後ろから声が聞こえなくなった。
…翔琉くん、大丈夫かしら?
って、あれ?
…えっと…何してるんだっけ?
彼女役だったような気がするけど…
ええと…何か方向がズレてきてる…?
なんて思っていると、諒くんがまた妖艶な笑みを浮かべた。
その表情にドクリと胸がなる。
「…しょうがねぇな…甘えん坊なマイマイも可愛すぎてたまんねぇよ。愛してる…続きはベッドでたくさん言ってやるから」
耳にチュッとキスをされ、その際にコソッと「俺の負け」と囁かれた。
よし!勝った!
…てゆーか!みっ耳にキスされたよ!?
まさかこんな展開になるなんて!
…ハッ!まずい!
積極的カワイイ小悪魔キャラだったのに、赤い顔で動揺してたらお芝居だってバレちゃう!
と気になり、そっと女性2人を見ると、目がキラッキラしてる…
「マイマイ、チョーかわいんですけど!」
「2人にキュン萌えなんですけど!」などと更なる盛り上がりを見せていた。
ほっ。
お芝居だとは気付かれてないみたいね。
…と安心してたら、いきなりこっち向いた。
なっ何ですか!?
「マイマイ、あっ違った、羽倉さん」
いえ…
そのままマイマイで通してください…
現実に戻さないでください…
こっぱずかしいです…
「佐伯さんに声かけちゃってごめんなさいね。あのー、佐伯さんはいらないから、2人のイチャラブ見ててもいい?」
…いらないとか言われちゃう諒くんは気の毒だけど、とりあえずはナンパ阻止成功か。よし。
ん?…でもそれって、このノリ過ぎた茶番を続けるってこと?
「え~、マイマイ恥ずかしぃ」
キャラを崩さず両手で頬を押さえながら言うと、諒くんが私の顔を覗き込み甘く微笑む。
「いーじゃん。いつも通りにしてればいいだけだろ?」
「やった!じゃあ適当にラブラブっぷりを見させてもらうね!」
「じゃあまた~」
また、っていつですか…
…あぁ、いつ見られるかわからないんですね…
でもその後、このお2人(ナナさんとエマさん)には何かと助けてもらったのだった。
私がナンパされた時には、ススッとどこからともなくナナエマコンビが現れて、ナンパ男子に諒くんの素晴らしさを滔々と語り、そこへ本人を呼び、ナナエマ&諒くんがけちょんけちょんにナンパ男を撃退したこともあった。
…あ、この時は私の茶番なく終わってたな。
そして諒くんがナンパされた時には、やはりススッとどこからともなくナナエマコンビが現れて、ナンパ女子に「このお兄さんにはマイマイってゆう、チョー美人で可愛いお似合いの彼女がいるのよ」とあたかも身内を自慢するかのように言い、そこで私はまたあの茶番を繰り返す。
「りょおたん、またキレイなお姉さんにナンパされてるぅ」
上目遣いで諒くんを見つめながら、人差し指で胸元をつんつんとつつく。
「だからマイマイを置いてくワケねぇじゃん」
諒くんに腰を抱き寄せられた上、また耳にキスされた!
「なぁ、もう帰らねぇ?」
「なんで?」
上目遣いで首を45度かしげる。もう定番。
「こんな可愛いマイマイ見てたら抱きたくてしょうがねぇし。…俺、夜まで我慢できねぇよ…」
耳元で、でも相手にも聞こえるように言うとか…策士ですな…
なんて感心しながらも、そんな言葉を言われ慣れてない私は素で赤面しながら、諒くんの胸をポコポコ叩く。
「もおっ!りょおたん、こんなとこで言わないでっ」
するとナンパしてきたお姉さん達が赤い顔をしながら「えっと…なんかお邪魔みたいなので失礼しますッ」って逃げていった。
…逃げ際「すごいいいもの見たね、お酒が進むね」「これでご飯、お茶碗2杯いけるね」って言ってましたね、お姉さん。
この茶番が酒の肴やご飯のお供になるのであれば幸いです。
ナナエマコンビにはこの茶番が通常運転になってるので「はぁ…ラブラブ安泰ですな」「ですな」なんて2人恍惚の表情で頷き合っていたけど、興奮が収まると「じゃあまたねっ」と私達から離れていった。
「またね」…てことは…
まだ続くということですね…