太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

初めての告白/side諒

帰り支度を終えた俺達は、車に乗り込んだ。

「あー、すごく楽しかった!ありがとうございました」

俺に笑顔を向ける麻依さんに言葉を返す。

「今日…これから予定とかある?」

「ん?いえ、帰って寝るだけだけど」

「俺、行きたいとこあるんだけど…一緒に行ってもらえないかな?ちゃんと送るから」

「うん、いいよ。ていうか、私が行っていいの?」

「うん、麻依さんを連れていきたいんだ」

「それなら、お願いします。ふふっ」

「よかった」

笑顔でOKしてもらえて安堵した俺は、まずレストランを予約した。
平日だし、予約しなくても大丈夫だとは思うが、念のため。


俺がたまに行っていた、海沿いにあるお気に入りのイタリアンレストランで、夕日を見ながらの食事。

「素敵なお店だね。諒くん、よく来るの?」

「前はたまに来てたよ、あ、1人でね」←ここ大事だから。

「へぇ、1人でなんてもったいない。誰か女の子とか誘わなかったの?」

「1人の方がよかったからね。好きでもない人とドライブも食事もする気はないし」←ハイここも大事。赤ペン引いといて。

「そうなんだ…意外だなぁ」

「そう?」

「うん、諒くんて社交的で、いろんな人から誘われたり誘ったりして食事とかもスマートにこなしそうだもん」

「…当たり障りない付き合いって意味では社交的と言えなくもないけど、プライベートでは俺、誰とも深く関わらない奴だったからね」
ふ、と自嘲する。

「そうなんだ、へぇ…」

って、ちょっと待って。
赤ペン引いといてって言ったじゃん。
なんでやんわりと〝好きな人しか誘わない〞って言ってるのにスルーするかなぁ…

やっぱ麻依さん、自分のことには鈍いんだな…

…わかってたけどね。

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