太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
「ねぇ諒ちゃん諒ちゃあん、ユリナね、この10年、諒ちゃんのこと忘れたことなかったよ?それにね、諒ちゃんに似合う女のコになりたくて頑張ったんだよ?えっとぉ、少しは可愛くなったと思う…?」


…若い女性が上目遣いで諒くんの腕をちょこんと掴んでいる。

キラキラしたかわいさをまとった…甘え上手っぽい感じの…若くて可愛い女性…

諒くんは喪家様もいらっしゃる手前か、それを笑顔で聞いている。
ちょっとひきつってはいるけど。

その光景をこっそり見ていると、フロント内でぼそりぼそりと会話が始まった。

「…アレか」

「…アレですねぇ。思った通りのタイプです」

「可愛い人だね…」

「「 はぁ !? どこが !? 」」

「え?だってキラキラしてるし…ほんと、ひよりんが言い当てた通りの完璧な可愛い女性だよね」

ちょっとため息出そう…

はぁぁ…
あ、出ちゃった…

「お前、アレは可愛いとは言わねぇぞ」
「良く言えば〝あざとい女〞ですよ、麻依先輩」
「おぉ、松島も言うねぇ」
「はい、私の嫌いなタイプですから」

あれ。さっきは〝苦手なタイプ〞って言ってたよね?
嫌いなタイプだったのかぁ。


…それからも〝ユリナさん〞は私達が見てわかる範囲では、お式以外はずっと諒くんにまとわりついていた。
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