太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
「福田さん、マジ神でした。ありがとうございます」

「おぅよ、見直したか?」

「えぇ」

「じゃあ羽倉を俺に「渡しません」

「ちぇー、お前もプンだ」
…ズズゥ…

「福田さん、かわいくないです。麻依はダメだけどドリンクバーの無料券なら差し上げますね。あと音を立てるのは行儀よくないですよ、いい大人なんだから」

「プンだプンだ…独りモンはいいのっ」
…ズズゥ…


あれから連絡を取り合い、私達はファミレスで落ち合った。
お通夜の時はいなかった翔琉くんも、ひよりんと一緒に来てくれた。


「しかし何だあの女、下品過ぎてひでぇな」

「ホントホント、あざとい通り越して下品ですよぉ」

「何スか、そんなにひどい女なんスか?」

「マジだよマジでひどい。ずっとあの調子で気が狂うっての…」

「でも可愛い人だよね…」

「「「 はぁあ !? どこが !? 」」」

福田くん、ひよりん、諒くんに同時に叫ばれた。
う…そんなに驚かなくてもいいじゃない…


「って、さっきと同じ会話じゃないですか、麻依先輩」

「あ、そだね…」

「麻依、俺はあいつのことを可愛いと思ったことないし、ましてや恋愛感情なんて全く持ったことないからな」

「うん、それはわかってるけど…」

「俺は麻依しか見えてないし、麻依しか愛してないから」

「あぁ諒さん、安定の溺愛っぷりですぅ」
「それでこそ諒さんっス」

「…佐伯の変貌っぷりのせいで、玉砕した事とか吹っ飛ばされてるわ…」
ボソリと呟く福田くん。

「諒くんありがとう。…うん、信じてるよ」

そう笑顔で答えたけど…

まだ心配というか…
海の時とは比べ物にならないくらいのモヤモヤが…
ううん、違う…
ぐちゃぐちゃした何かが…私の心を暗くさせている。


なぜなら、ユリナさんは私のトラウマの一つである、可愛い女性像そのものだから…


若くて、可愛くて、あんなに素直に甘えられる女性。


それに…
諒くんはユリナさんに私の存在を隠している。

ユリナさんにバレて困るのはなんで?

私を彼女として紹介できない理由って?


なんだろう…このぐっちゃぐちゃの嫌な気持ち…

おかしい…いつもの自分じゃない…

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